研究課題/領域番号 |
24560175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀 純也 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80311017)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 巻糸体 |
研究概要 |
本研究の目的は,これまで直接に観察できなかった巻糸体内部の糸層変位を,糸をほどいたり切断することなく非破壊で可視化し,内部ひずみの計測を行い,巻糸体の形成条件と内部欠陥発生の因果関係を明らかにすることである. 平成24年度は,糸の張力,綾振り角,巻き取り速度を自在に設定できるプログラム機能を持ち,モデル巻糸体を形成できるプログラマブルワインダを試作するため,既存のワインダについて調査を行なった.試作する装置について,制御システムにおいては,高機能で低価格なPLC制御システムが発売されたため,このシステムをベースとしたPLCサーボ回転制御計測システムを導入することとして,モータやドライバ,および制御装置の選定を行った.機械機構部分の設計については,高速で長時間にわたり往復運動を行う綾振り機構部分について,高精度化を図るために試作と予備実験をを行った.また,モデルボビンについては,観察がしやすいよう,材質,加工方法について検討を行った. ボビンの回転を行う駆動系は,一般的な産業用ワインダはインバータ制御であるが,本研究では高精度なサーボモータを使用し,指定した巻糸体形成条件のとおりに巻き取り装置や綾振り装置の駆動を行うこととした.また,糸層の厚さは非接触式の外径測定器を用いて計測を行うことを検討している.巻き取った糸量(糸層毎の糸の本数),および実際の張力も常時計測し,外部へ記録できるよう,制御システムの設計を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画のうち,1)プログラマブルワインダの試作 については,ほぼ予定通りに進捗している.平成25年度前半に,機構部分の設計製作を終了し,制御プログラム等の制作と試運転を行い,後半から実際に巻糸体を種々の形成条件のもとで形成し,2) CT画像による巻糸体の糸層変位測定 につなげる予定であり,全体の進捗はおおむね順調である.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度前半は,モデルワインダの機構部分の設計製作を終了し,制御プログラム等の制作が完了し次第,試運転を行う.また,後半からは,実際に巻糸体を種々の形成条件のもとで形成し,CT画像による巻糸体の糸層変位測定の手法の確立につなげる予定である.また,研究の途中経過を,日本繊維機械学会北陸支部研究発表会などの機会に報告する予定である.さらに,糸層変位に巻糸体形成条件が及ぼす影響について,理論的な検討を行うとともに,シミュレーションによる検証についても検討を試みる.
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次年度の研究費の使用計画 |
物品購入費として,モデルワインダ製作のための物品,制御機器の購入.巻糸体のアルミ材の購入,巻糸体を形成するための糸の購入に使用を予定している.また,X線CT装置の使用料,設置場所への交通費にも使用する予定である.
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