アルカリ溶解会合性高分子(HASE)溶液中を上昇する気泡の運動が実験的に調べられる.濃度の異なる数種類のHASE溶液中の気泡運動が考察される.HASE溶液は特別なレオロジー特性を持たないにも関わらず,非常にユニークな形状を持った気泡運動が観察される.HASE溶液中の気泡上昇運動は,水溶性会合高分子中を上昇するカスプ形状気泡とは全く異なる.微視的な観点からは,物性・物理条件に依存して,魚の骨状のマイクロ構造が気泡のユニーク形状部において形成されるのが確認される.これらのマイクロ構造は肉眼では観察できない.マイクロ構造の形成のメカニズムは,HASE溶液の弾性効果と密接に結び付いていると考えられる.
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