本研究では,極短時間パルス放電による内燃機関の燃焼促進効果を明らかにすることを目的とし,放電形成モデルとプラズマ化学反応モデルを統合した解析モデルを構築し,内燃機関における着火時の条件である10気圧,600 Kにおけるメタン・空気希薄混合気中の誘電体バリア放電もしくは針状電極間ナノパルス放電を対象として二次元数値シミュレーションを行った。本研究により,極短時間パルス放電構造および放電により生成されるラジカル種の数密度分布などの基礎特性やラジカル生成における電子エネルギー分配機構が明らかとなった。さらに,放電により生成されたラジカルにより,着火遅れが大幅に改善されることが示された。
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