本研究では,フォトクロミック色素マーキング法を用いて自由表面流れを計測する方法を開発し,液膜噴流や斜面を流下する液膜流れを調べた.フォトクロミック色素の着色点を形成するために,Nd:YAGレーザー(波長355nm)の紫外パルス光を用いた.液膜噴流に4点の着色を行い,その相対的な位置変化から,垂直ひずみや回転運動を評価した.これによって,液膜が分裂に至る前の液膜の変形や回転運動が明らかになった.さらに,傾斜壁面を流下する液膜の表面速度と表面波の速度を測定した.その結果,液膜の表面速度は,表面波が到達前はほとんど一定であるが,波の通過に伴って急激に増加することなどが確認できた.
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