研究課題
基盤研究(C)
革新的な3次元形状を有する微細な溝(リブレット)を考案し,乱流摩擦抵抗の低減効果を直接数値計算,及び室内実験を用いて解明することを目的として,以下の二項目を実施した.・平行平板間乱流のDNSの実施溝間隔が流れ方向に変化する3次元リブレット形状を有する平行平板間乱流の世界最大規模のDNSを実施し,抵抗低減効果を最大にする形状を特定した.リブレット形状を規定するパラメータは,リブレットの高さ,幅,角度,流れ方向の長さ,及びスパン方向の平均間隔の5つであり,計算効率の良い平行平板間乱流のDNSで最適化可能なリブレットの高さ,幅,角度の3つを最適化した.・平行平板間乱流の室内実験の実施DNSで得られた最適な3次元リブレットをマシニングセンターを用いて作製した.これらを平行平板間流路に設置し,抵抗低減効果を評価した.さらに,平成26年度に実施予定であった圧力抵抗を減少させる流れ方向になめらかな正弦波状に変化させる別の形状も最適化の対象とすることにより,最大約12%の抵抗低減効果を得た.この値は過去に報告された2次元,及び3次元リブレットの効果を上回る世界最大の値である.また,レイノルズ数を変更することで,摩擦長さで無次元化された3次元リブレットの流れ方向長さ,及びスパン方向間隔を(相似形を保って)変更し,最適化した.DNSと室内実験を世界で初めて併用することによって,リブレット形状を規定する5つすべてのパラメータを最適化した.最適な条件下での抵抗低減メカニズムを解明するために,デュアルプレーン・ステレオPIV(DPS-PIV)を導入した.抵抗低減メカニズムには壁近傍の縦渦構造が重要な役割を担っている.複雑な計測システムであるため,本年度は2成分PIVで計測が可能な乱流統計量をDPS-PIVを用いて取得・比較し,高精度な計測システムを構築した.
1: 当初の計画以上に進展している
交付申請書に記載された本年度の研究実施計画を全て実施した.さらに,平成26年度に実施予定であった,新規形状のリブレットも作成し,抵抗低減効果を評価したため.
・平行平板間乱流のDNSと室内実験の実施高精度に校正したDPS-PIVを用いて,最適な条件下での抵抗低減メカニズムを評価する.具体的には,リブレットの溝間における加減速の効果,流れ方向に変化する3次元の流れ場の評価,及び壁近傍の縦渦構造の変化を調べる.他方,直接数値計算では,リブレット形状のさらなる最適化を実施する.何故ならば,前述の室内実験では,リブレットの流れ方向長さ及びスパン方向間隔について,相似形を保つという条件での最適値が得られるが,DNSによって最適化されたリブレットの高さ・幅までもが変更されるためである.DNS・室内実験を繰り返すことにより,5つのパラメータの最適値を探索する.
該当なし.
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
Proc. of ASME 2012 Fluids Engineering Division Summer Meeting
巻: - ページ: FEDSM2012-72437
Proc. of the 9th Euromech Fluid Mechanics Conference
巻: - ページ: 0058_CO4, pp.1
Proc. of the 1st Int. Education Forum on Environment and Energy Science
巻: - ページ: A215, pp.2
http://iwamoto.lab.tuat.ac.jp/