研究課題
革新的な3次元形状を有する微細な溝(リブレット)を考案し,乱流摩擦抵抗の低減効果を直接数値計算,及び室内実験を用いて解明することを目的として,以下の二項目を実施した.溝間隔が流れ方向に直線的,及び正弦波状に変化する3次元リブレット形状を有する平行平板間乱流の世界最大規模の直接数値計算(DNS)を実施し,抵抗低減効果を最大にする形状を特定した.リブレット形状を規定するパラメータは,リブレットの高さ,幅,角度(振幅),流れ方向の長さ,及びスパン方向の平均間隔の5つであり,計算効率の良い平行平板間乱流のDNSで最適化可能なリブレットの高さ,幅,角度(振幅)の3つを最適化した.DNSで得られた最適な3次元正弦波状リブレットをマシニングセンターを用いて作製した.これらを平行平板間流路に設置し,抵抗低減効果を評価し,最大約12%の抵抗低減効果を得た.この値は過去に報告された2次元,及び3次元リブレットの効果を上回る世界最大の値である.最適な条件下での抵抗低減メカニズムを解明するために,リブレット間が拡大縮小している効果を定量的に評価した.抵抗低減メカニズムには壁近傍の縦渦構造が重要な役割を担っている.よって,縦渦構造を直接検知可能なデュアルプレーン・ステレオPIV(DPS-PIV)を導入した.その結果,本リブレットの抵抗低減メカニズムの本質は従来の2次元リブレットと同様であることが分かった.重要な相違点として,壁近傍の縦渦構造に付随する高速流体が下壁面に到達して抵抗を増加させる効果を,本リブレットが効果的に抑制していることが分かった.リブレットの平均スパン方向間隔が縦渦構造の直径以上であり,従来の2次元リブレットの間隔よりも広いことから,リブレットの表面積が減少し,抵抗低減効果の増加につながった.
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