輸送機器の空力性能改善のために有用な後流計測の実用的手法を提案した.その手法とは,ステレオPIV計測と計算機利用の数理手法を組合せたものである.通常の実験では,計測機器との干渉により本来の物理現象の計測値が得られない場合があるが,提案手法は非接触であり且つ平面計測といった利点を持つ.この手法の核は,ステレオPIVによる複数面(3面)の広範囲計測と,PIV結果の速度成分から圧力算出を行うための基礎方程式 (2.5次元モデル)である.等エントロピー性が成立すべき適切な場所に境界を設定し,必要に応じてノイマン境界条件を併用することで,精度良く圧力が求まり,後流計測法として有効であることを示した.
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