研究課題/領域番号 |
24560193
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
森西 晃嗣 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20174443)
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キーワード | 計算流体力学 / マルチスケール解法 / マルチフィジックス解法 / ボルツマン方程式 |
研究概要 |
平成25年度の研究計画は,①弱非平衡流れでのモーメントベースボルツマン解法の構築と検証,および,②非平衡性が強い流れでのモーメントベースボルツマン解法の構築と検証,である.このうち,①については,本研究課題申請時の研究計画・方法に従って,物体表面ですべり境界条件を導入することにより,連続体レベルでのモーメントベースボルツマン解法と同じモーメントと粒子速度ステンシルを用い,解析可能であることを確認した.また,②については,申請時の研究計画・方法でも予想していたように,連続体レベルでの解法より高次のモーメントを導入する必要性が数値実験により示唆された.しかし,高次モーメントの導入は,広い粒子速度ステンシルの導入と同等であり,それにより,従来のボルツマン解法に対するモーメントベースボルツマン解法の優位性(解法の簡便性と低計算負荷)が損なわれてしまう可能性が有るので,非平衡性が強い流れに対するモーメントベースボルツマン解法の適用性については,平成26年度も継続して検証することとした.そこで,研究計画全体の進捗割合を維持するため,当初の研究計画では平成26年度に実施予定であった「CPU/GPU クラスタで実装できるマルチフィジックススケール対応解法の構築と検証」を平成25年度後半から開始し,平成24年度に開発した単相流に対するモーメントベースボルツマン解法および2相流に対するモーメントベースボルツマン解法の CPU/GPU クラスタでの実装化を行い,並列計算コードの信頼性と有効性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題申請時における平成25年度の研究計画は,①弱非平衡流れでのモーメントベースボルツマン解法の構築と検証,および,②非平衡性が強い流れでのモーメントベースボルツマン解法の構築と検証,である.このうち,①については,物体表面にすべり境界条件を導入することにより解析可能であることを確認した.また,②については,申請時に予想していたように,連続体レベルでの解法より高次のモーメントを導入する必要性が示唆されたが,高次モーメントの導入は,広い粒子速度ステンシルの導入と同等であり,従来のボルツマン解法に対するモーメントベースボルツマン解法の優位性(解法の簡便性と低計算負荷)が損なわれる可能性が有るので,その適用性については,平成26年度も継続して検証することとした.その代り,申請時での研究計画では平成26年度の実施項目としていた「CPU/GPU クラスタで実装できるマルチフィジックススケール対応解法の構築と検証」を平成25年度後半から開始し,2相流に対するモーメントベースボルツマン解法の CPU/GPU クラスタでの実装化までを行った.したがって,計画全体の達成割合は順調に維持されている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度前半は,平成25年度から継続する「非平衡性が強い流れでのモーメントベースボルツマン解法の構築と検証」および「CPU/GPU クラスタで実装できるマルチフィジックススケール対応解法の構築と検証」を行い,後半は、「マルチフィジックススケール対応モーメントベースボルツマン解法の構築」を行って,本研究課題申請時の全ての研究計画を達成する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度受領した予算は,研究計画に従って必要な物品の購入と研究発表旅費に支出したが,315円の残額が生じた.この残額は,物品の購入や旅費として支出するには少額のため制限が大きく,次年度予算と合算してより有効に使用することが適切と判断した. 少額の残額なので,次年度予算に合算してより有効に使用する.
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