研究課題/領域番号 |
24560195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片岡 武 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20273758)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 熱先端流 |
研究概要 |
常圧下における実験を行う前の準備段階として,まずは低度に希薄な気体中で熱遷移流を生じさせるための実験をおこなった.流れを生じさせるデバイスとして,微小な間隔で並べた平板を用いた.平板同士の間隔は1mmのオーダーのものを採用した.ヒーターを用いて平板列の両端に温度差を与え,その温度勾配により熱遷移流が生じることを確認した.次にこの平板列を1ユニットとし,長い直管内に等間隔で数ユニット配置した.数ユニット配置することにより,上流,下流間の圧力差を大きくするようにした.この装置では,管内に配置されたユニット間のつなぎ目の空間に逆の温度勾配が働くが,そこでは代表長さが長いために流れに対する駆動力が働かない.つまり逆方向の熱遷移流は誘起されない.よって温度分布を周期的に設定することができ,装置全体の温度差を低く押さえることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
希薄状態での熱先端流の検知およびポンプシステムへの利用有効性については,実験的に確認をすることができた.しかし圧力をあげると,熱先端流の速度の落ち込みが予想よりも大きく,常圧での利用に関しての見通しはまだ得られていない.
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今後の研究の推進方策 |
希薄状態での熱先端流の速さを,圧力の関数としてより系統的に調べる.その後,圧力増加に依る熱先端流速度の落ち込み度を分析したうえで,常圧での熱先端流をポンプシステムへ活かすための方策をとる.具体的には,系の代表長さを小さくすることにより,また先端を伴う部品の密度を上げることにより,対応していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
熱先端流を検知するための一連の器具を購入予定.シミュレーションによる最適なポンプ形状を探るため,パソコンも購入予定.アメリカの希薄気体流れ研究者との討論,共同研究により,さらにポンプシステム作成に必要な情報を仕入れるため,外国出張費も計上予定.
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