研究成果の概要(和文):管路流れの中で物質を混合し,化学反応を促進させることは重要なテーマであるが,対象となる流れでは,管路幅が狭く流速の遅い低レイノルズ数流れが多いが,低レイノルズ数の故に乱流混合は期待できない.壁面が移動する矩形曲がり管を用いれば,低いレイノルズ数においても流れがカオス化して物質混合および熱伝達率が増加することが確認された.本研究によって,極めて小さなレイノルズ数流れにおけるカオス化の実態がラグランジュアンカオスであると確認され,矩形管の管断面の縦横比を変化させた場合の渦構造の変化と混合促進との対応が明らかとなり,実用的なマイクロタス開発への道が切り開かれた.
|