研究課題/領域番号 |
24560197
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安倍 賢一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20315104)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 数値流体力学 / LES/RANSハイブリッドモデル |
研究概要 |
今年度実施予定であった,(1)既存のLESおよびRANSモデルの詳細な性能評価,(2)乱流構造解析による接続領域における現象の考察,(3)既存の接続手法の評価,の3点について以下の通りの進捗を得た. (1)LESの性能評価により,高精度化には壁面近傍の乱流構造の反映が不可欠であることが明らかとなった. (2)乱流構造解析を通して,LESモデルの高精度化にはスケール相似則モデルの特徴を反映させることが有用であることが明らかとなった. (3)接続手法を改善するためには,まずLESモデルの粗い格子での高精度化が不可欠であることが明らかとなった. 上記のうちで,特に(1),(2)のLESモデル評価と乱流構造解析を通してLESの高精度化につながる非常に有用な知見が得られたことから,次年度以降に実施する予定であった計画のうちのLESモデルの高精度化を前倒しで実施することが可能となり,得られた知見を反映させたLES用の新しいSGSモデルの開発に成功した.これにより,研究の最終目的である高精度LES/RANSハイブリッドモデルの新たな開発において,LESの部分については今年度のうちに非常に大きな進捗が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初次年度以降で実施する予定であったLESで用いるSGSモデルの高精度化に関して,今年度中に新たなモデルの開発に成功した.このモデルは,粗い計算格子でも従来モデルより高い予測精度を維持でき,計算の安定性についても配慮されている.これにより,高レイノルズ数の複雑乱流場へLES/RANSハイブリッドモデルを適用する際に,従来モデルよりLES領域を広げることができる目途が立ち,次年度以降の研究計画の実施に弾みがついたと言える.
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今後の研究の推進方策 |
今年度LESモデルの高精度化に成功したので,今後は「LES/RANS接続手法の高精度化の検討・提案・組込み」に注力し,新たな高精度LES/RANSハイブリッドモデルの開発を進めていく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度への繰越額は今年度の予算全体から考えて極めて小さな金額であり,年度内にほぼ予定通り使用されたものと考えている.次年度についても,当初の予定通り適切に研究費を使用していく予定である.
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