研究課題/領域番号 |
24560197
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安倍 賢一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20315104)
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キーワード | 数値流体力学 / LES/RANSハイブリッドモデル |
研究概要 |
H25年度以降で実施予定であった,(1)LESおよびRANSモデルの高精度化の検討・モデル改良,(2)LES/RANS接続手法の高精度化の検討・提案・組込み,(3)新たなLES/RANSハイブリッドモデルの性能評価・研究のまとめ,について以下の通りの進捗を得た. (1)本項目については,H24年度報告書で述べたように,昨年度中に著しい進捗が得られ,既に新たな高精度1方程式LESモデルが開発されている.本年度は,このモデルのさらなる高精度化に向けて,翼周りや3次元ディフューザ等の種々の流れ場にモデルを適用して詳細な検討を行った.その結果,本モデルが複雑乱流場においても安定に計算が実行可能であり,従来のLESモデルよりも高い予測性能を示すことが確認された. (2)LES/RANS接続手法の高精度化の検討については,新たなLESを用いることにより従来よりもLES領域を広げることが可能であることを確認し,その最適な接続位置の検討を行った.また,そのLES/RANSハイブリッドモデルを用いて(1)で述べた流れ場を対象に計算を実施し,より粗い格子解像度で純粋なLESよりも予測精度が向上することを確認した.なお,本項目についてはH26年度でも引き続き検討を進める予定である. (3)新たに開発したLES/RANSハイブリッドモデルの性能評価・研究のまとめについては,最終年度であるH26年度に実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発したLES用の新しい高性能モデルをLES/RANSハイブリッドモデルに適用することにより,従来のLES/RANSハイブリッドモデルよりも適切にLES領域を広げることに成功した.これにより,本年度の主たる実施項目であった「LES/RANS接続手法の高精度化の検討」については,当初の目的を十分に達成できたと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により,(1)LESおよびRANSモデルの高精度化の検討・モデル改良,(2)LES/RANS接続手法の高精度化の検討・提案・組込み,については当初の目的を達成できた.従って最終年度である次年度は,この新たに開発したLES/RANSハイブリッドモデルを種々の実用的な乱流場に適用した結果を詳細に検討し,必要に応じて改良を加えてモデルの完成を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は既受領額累計に対して2%程度であり,全体的に予算については適切に執行されていると考えている.次年度は最終年度であるため,すべての予算を適切に執行していく予定である. 最終年度については,研究の人件費・謝礼,研究発表のための旅費,計算機使用料等で予算を使用する予定である.
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