研究課題
基盤研究(C)
自転円板上の流れ場は,3次元ねじれ境界層の代表的な流れ場であり,これまで様々な研究が広く行われてきたが,公転を伴う自転円板上の流れ場は未だにほとんど明らかとなっていないため,本研究では公転を伴う自転円板上に形成される境界層流れを明らかし,その自公転円板上の境界層流れのパターンを体系化し,境界層遷移を制御することを目的としている。本年度は200mmの円板を用い,公転半径を円板半径と同一距離とした場合に形成される自公転円板上の境界層流れについて,境界層の可視化および熱線流速計による速度場計測を実施し,自転のみの回転円板上の境界層流れでは観察されない境界層流れの現象を明らかにした。自転のみの場合,ある回転速度以上になると,外縁部に約30本の遷移渦が生じ,その渦は円板上に定在するため,円板に塗布した膜にはそれらの渦による約30本の筋が転写される。しかしながら,自転速度に対して2.5%の公転速度の運動を加えた場合,その自公転円板上の境界層内の遷移渦は,自公転の方向が同方向か逆方向化によらず,気流が加速される側に回ってくれば遷移渦の間隔が密になり,減速される側に回ってくれば遷移渦の間隔が粗となっていることを明らかにした。つまり,遷移渦は±数度の範囲内ではあるが,公転位置によって遷移渦の間隔を変えながら移動していることになる。さらに,公転速度の割合を5%まで増やすと,遷移渦の間隔が広がっている減速される側では高周波の乱れが間欠的に現われるようになり,遷移渦は定在せず,塗布膜への筋の転写は抑制されることを明らかにした。また,速度変動結果には遷移渦による速度変動と高周波の変動とは別に,低周波の変動が明瞭に観察されたが,この低周波変動による渦については今後さらなる調査を継続していく予定である。また,公転速度の割合が7.5%以上になると,乱流化が促進される結果が得られた。
2: おおむね順調に進展している
熱線流速計での境界層流れの速度場計測において,興味深い現象が得られ,当初予定していなかった実験やデータ解析が必要になったため,自転速度が低速回転の場合の調査が途中である。しかしながら,次年度予定の装置改良についての設計案は完成しているため,最終的には研究目的を達成できると考えている。
すでに前年度に25年度に予定していた装置設計図案は完成しているため,前年度の積み残しの公転半径が円板半径と同一である場合の自転速度が低速回転の場合の調査終了後に,すぐにその図案の公転半径の異なる装置の製作に取り掛かれる予定であるため,計画通りに研究は遂行できる予定である。
主に公転半径変更のために必要な装置部品の材料加工費,速度場計測のための熱線,境界層流れの可視化に必要な消耗品などで使用する予定である。また,成果発表のために旅費として使用する予定である。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
日本機械学会九州支部第66期総会講演会講演論文集
巻: No.138-1 ページ: 219, 220
巻: No.138-1 ページ: 221, 222
Open Journal of Fluid Dynamics
巻: Volume 2, Number 4A ページ: 181, 186
10.4236/ojfd.2012.24A020