界面活性剤溶液の薄膜は非常に安定して存在できるが,その安定化機構や力学的特性については十分に明らかにされていない.そこで本研究では,薄膜の中心部をレーザーで加熱し,サーモキャピラリー効果により薄膜にマランゴニ力を誘起して微小な張力により膜を穿孔させた.穿孔に至るまでの液膜厚さや厚さの空間分布を光学的に測定するとともに,マランゴニ力と穿孔時間との関係を調べて,膜の力学的特性を明らかにした.その結果,膜は一定の張力に達するまでほとんど流動せず,脆性的な破壊を起こすことがわかった.また,活性剤分子吸着量と穿孔時間との関係から,吸着量が膜の安定化効果に及ぼす影響を明らかにした.
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