研究課題/領域番号 |
24560206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162545)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 磁性流体 / MR流体 / 機能性流体 / 超音波 / ダンパー / 磁場 / スロッシング |
研究概要 |
本研究では,磁場によってその性質が変化する磁気機能性流体として,磁性流体とMR流体を取り扱った。これらの流体中には,磁性体微粒子が含まれており,印加磁場に応じて流体内部に微粒子のクラスターが生じる。このクラスター形成によって,特徴ある変化が流体に生じる。ここでは,これらの機能性流体を取り巻く環境を動的に変化させ,超音波伝播特性変化,圧力変化,荷重変化, 固有振動数変化といった諸量を詳細に検討することにより,磁気機能性流体の動的諸特性を明らかにすることを目的として,研究を遂行した。 1. 超音波伝播特性に関する実験:磁性流体およびMR流体の動特性解析の一つの方法として,超音波伝播特性を調べた。具体的には,流体中を伝播する音速変化について検討を行った。本年度は特に高圧力下での音速に関して実験を行った。その結果,圧力上昇と共に,音速が増加する結果を得る事ができた。また,交流磁場下での音速変化についても調べた。現在,実験結果を収集している段階であり,まだ詳細な検討を行うまでには至っていない。 2. 同調液柱管ダンパーに関する実験:従来より磁性流体を用いた同調液体ダンパーの諸特性を調べてきている。その結果,液体自由表面への磁場印加が効果的であることがわかってきた。そこで,ダンパーとしての効果を調べるために,新たな加振システムの設計・製作を行い,実験を遂行した。様々な加振状態において,印加磁場の影響を,内部圧力の動的変化を調べる事で,同調液柱管ダンパーの特性を検討した。 3. 管内流動に関する実験:磁性流体に長時間磁場を印加した後に振動流を生じさせると奇妙な速度分布が得られる事がわかっている。そこで,現象を明らかにするために,長時間磁場印加後に圧力勾配一定流れを生じさせ,その過渡流れを調べた。今回は,交流磁場を印加させ,その流動挙動が静磁場と比較してどのように変化するかを調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述したように,本年度は主に3テーマの実験を実施した。特に交流磁場による非定常磁場下での磁性流体やMR流体の諸特性を調べた。当初の予定通りの実験を遂行することができた。その結果,興味ある実験結果が得られており,次年度においては,詳細な検討ができるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
幾つかの新しい実験を開始しているので,引き続き実験を継続して実施していく。 1. 超音波伝播特性に関する実験:交流磁場の周波数,および磁場強度をさらに変化させて,磁性流体・MR流体中を伝播する超音波伝播特性を調べる。交流磁場周波数とクラスターの挙動に関連があると予想できるので,フーリエ解析による検討を実施する。磁場のスイープレートを変化させ,その影響を調べる。 2. 同調液柱管ダンパーに関する実験:コイルからの発熱が,実験結果に多少悪影響を及ぼしていることが判明したので,まず,装置の改良を行い,実験装置の稼働確認を行う。磁性流体の流体量の変化させ,異なる共振周波数下での印加磁場の影響を調べる。 3. 管内流動に関する実験:交流磁場下での充分な実験データが得られていないので,引き続き実験を遂行し,検討を進める。 4. 衝撃緩衝器に関する実験:昨年度はあまり実験が実施できなかったので,装置の改良を行い,実験を遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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