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2013 年度 実施状況報告書

イオン流を伴う気液2相流体の可視化と電気流体力学現象のモデリング

研究課題

研究課題/領域番号 24560209
研究機関東海大学

研究代表者

大山 龍一郎  東海大学, 工学部, 教授 (40233291)

キーワード電気流体力学現象 / Electrohydrodynamics / 気液2相流体 / イオン流 / 数値解析 / モデリング / PIV / MTV
研究概要

本研究はイオン流を伴う気液2相層状流の可視化と定量解析のモデリングを具体化すること、ならびに本現象を解明して応用面を開拓することを研究の目的としている。すなわち、電気流体力学分野で重要な流れ場の解析を対象に、気液2相流体の電気流体力学的イオン流場の流速計測技術を開発すると同時に、その電気的駆動力による流体力学的効果の定量解析からコンピュータシミュレーションのためのモデリングを具体的にすることである。
本年度は、気液2相電気流体力学現象を誘起する電気的駆動力について、これまでの定常領域の解析から非定常領域でも定量化できるようにするため、過渡状態を含む数値電界解析のモデリングに着手した。特に、気体と液体の界面における流れ場の過渡現象解析は、電気流体力学効果を具体化する目標から極めて重要である。そこで、まず気体側から気液界面および液体内部へ進展するパルス性状のイオン流を定量化するため、磁気プローブを製作して気相および液相における誘電的特性および電気伝導特性の測定を実施した。実験では、前年度に定常状態の解析のために製作した評価モデルを使用した。すなわち、円柱状容器に導電率の異なる液体を満たし、その液面から5mm上方の気相に針状放電電極を配置したモデルを供試した。パルス性状の放電電流は、気液界面および容器底部の計9カ所で測定し、イオン流を伴った過渡的な伝導であることを定量化した。その結果、液体の導電率が電気流体力学効果に大きな影響を及ぼすことを確認することができた。次に、実験より得た結果を考慮しながら数値電界解析を実施した。本年度の研究活動においては、計画通り定常状態から過渡状態への電気流体力学現象のモデリングと解析へ前進させ、実験結果に整合するイオン流の数値解析および定量的な評価の方法について具体的な知見を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の達成目標は、まずレーザー誘起燐光の可視化技術を活用することで、特定な分子の燐光を時間的かつ空間的に微小な時間で追跡するMolecular Tagging Velocimetryシステムの主要構築を完了し、次に科学研究費の公布が開始された時点で流れの可視化実験による現象の定量化を行い、数値電界解析および数値流体解析のモデリングに着手することであった。コンピュータシミュレーションのためのモデリングについては、実験によるイオン流評価が順調に進んでいることから、予定通り定常状態の評価対象を用いた数値電界解析およびモデリングの具体化が達成できた。また、数値流体解析のモデリングについては、実験による評価値および数値電界解析による評価値を互いに検討しながら流体駆動力を考察できる状況となった。
平成25年度の達成目標は、本現象の電気流体力学的効果の特徴が誘電性効力よりも電気伝導性効力が実質的に強いことが判明したことから、新たに液相の導電率をパラメータとした実験モデルを用いて電気的駆動力を検討する段階へ進展させることであった。その評価においては、まず実験に対して製作した磁気プローブにより気相および液相の電気伝導特性の定量化が達成できた。次に、予定通り数値電界解析およびモデリングに対しては、実験結果に整合するイオン流の数値解析および定量的な評価方法を具体化できる状況となった。

今後の研究の推進方策

本研究において解析と解明を目的としているコンピュータシミュレーションのためのモデリングは、気体相と誘電液体相の界面における電気流体力学現象である。本研究ではイオン流を伴う気液2相層状流の解析方法を具体化して本現象を解明しようとする目的から、これまでに流れの可視化による電気流体力学的イオン流場の流速計測法を構築した。また、定常状態から過渡状態への電気流体力学現象のモデリングと解析へ前進させ、実験結果に整合するイオン流の数値解析および定量的な評価方法を具体化した。これより、研究の進展は電気的駆動力による流体力学的効果の定量解析方法を具体的にするとともに、コンピュータシミュレーションによる電気流体力学的効果を検証できる段階に入った。
平成26年度は、気相および液相における誘電性効力および電気伝導性効力と、電気流体力学的誘因による流れ場の関係について流速分布測定値を含む実験結果に基づいたフォースバランス等の解析を実施する。さらに、本現象の直接的な応用として、気液界面を含む気液2相流体の電気流体力学効果により層状液体を駆動させるEHD Pumpの試作と実証試験を行い、流速と電気的駆動力の解析から性能評価に適用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Underwater current distribution induced by spark discharge in a water surface2013

    • 著者名/発表者名
      Nur Shahida, Ryu-ichiro Ohyama, Shigeru Yamaguchi
    • 雑誌名

      Journal of Electrostatics

      巻: 71 ページ: 823-828

    • DOI

      10.1016/j.elstat.2013.03.002

    • 査読あり
  • [学会発表] 2-DIMENSIONAL MEASUREMENT OF ELECTRIC POTENTIAL DUE TO SPARK DISCHARGE ON WATER SURFACE2013

    • 著者名/発表者名
      M.K.A Muhamad, N.S Midi, R. Ohyama
    • 学会等名
      Proc. The MJIIT-JUC Joint International Symposium 2013
    • 発表場所
      Kanagawa・Tokai University
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [学会発表] TATIONARY NUMERICAL CALCULATION OF SPARK DISCHARGE ON WATER SURFACE USING SURFACE POTENTIAL AS BOUNDARY CONDITION2013

    • 著者名/発表者名
      Nur Shahida Midi, Ryu-ichiro Ohyama
    • 学会等名
      Proc. The MJIIT-JUC Joint International Symposium 2013
    • 発表場所
      Kanagawa・Tokai University
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [学会発表] Electric Potential in Tap Water and Saline Solution due to Spark Discharge on Water Surface2013

    • 著者名/発表者名
      M.K.A. Muhamad, N.S. Midi, R. Ohyama
    • 学会等名
      Proc. IEEE 2013 Annual Conference on Electrical Insulation and Dielectric Phenomena
    • 発表場所
      China・Shenzhen
    • 年月日
      20131020-20131023
  • [学会発表] Experimental Studies on Electrical Characteristics of Spark Discharge on Water Surface of Tap Water2013

    • 著者名/発表者名
      N.S. Midi, M.K.A. Muhamad, R. Ohyama
    • 学会等名
      Proc. IEEE 2013 Annual Conference on Electrical Insulation and Dielectric Phenomena
    • 発表場所
      China・Shenzhen
    • 年月日
      20131020-20131023
  • [学会発表] Visualization of Current Density due to Spark Discharge on Water Surface2013

    • 著者名/発表者名
      Nur Shahida Midi, Ryu-ichiro Ohyama
    • 学会等名
      可視化情報
    • 発表場所
      福島・会津大学
    • 年月日
      20130927-20130928

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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