研究課題/領域番号 |
24560215
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
八田 潔 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80280379)
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キーワード | 流体工学 / 圧縮・非圧縮流 / 産業用繊維 / 空気抗力 / 繊維機械 / 自動化省力化 |
研究概要 |
本研究は、最近脚光を浴びている炭素繊維やアラミド繊維など「産業用繊維」において、従来の衣料製織技術と同様に、空気流を利用して飛ばしたり保持したり移動させるなど、繊維を自在に操作するための空気力学的特性を明らかにすることを目的としている。 最初に、ガラス繊維・炭素繊維・高性能PE繊維・PBO繊維・アラミド繊維などの産業用繊維を入手し、その繊維や織物の構造および特性を観察および計測した。産業用繊維は、複合材料の素材として利用されることから、繊維数が極めて多く平らな状態で製織されることが多い。特に炭素繊維については、その取り扱いについて安全上の対策も大変重要で、機器の電気的保護や人体への影響なども十分考慮し、まずは衣料用繊維による再現からアプローチを試みた。そこで、特性が既知の衣料用繊維に収束剤を使用して円形からテープ状にまで断面形状を変化させ、その形状が及ぼす空気抗力およびはためき挙動への影響について検討した。実験では、産業用繊維に近い特性を得るために、幾つかの収束剤を準備しその濃度などについても検討を行った。現在、いろいろな形状寸法・繊維数・糸構造・物性などをもつ糸について、空気抗力、空気抗力係数、はためき挙動などの実験を行っている。観察から、これまでの円形断面を有する糸に比べ曲率の効果はほぼなく、平板に近い傾向を示していることが確認された。しかし、空気流そのものやその乱れの影響も大きく受け、はためきによる抗力増加や、摩擦抗力と圧力抗力の同時解析も必要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象である各種「産業用繊維」は最先端の材料であり、研究開発および市場シェアに関する競争も極めて激しい。このため、どのメーカーでも閉鎖性・機密性が高く、容易に素材を入手することができなかった。現在はサンプル提供いただいた素材をもとに、研究は進んでいるが、当初の計画から若干の遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの衣料用繊維と異なり、複合材料素材しての産業用繊維はフィラメント数が極めて多く平らな形状で製織されることが多い。このため、繊維束の断面形状が空気抗力に及ぼす影響やテープ状繊維のはためき挙動などについて基礎データを収集する。これらをもとに、空気流を使って繊維をさまざまに操作する上での、産業用繊維のもつ特有の問題点や特徴を明らかにしていく。さらに、産業用繊維を確実かつ効率的に操作するための条件などについても検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に計画していたメーカーからの産業用繊維の購入が予想以上に困難で、結果としてサンプル提供という形で入手が実現し、その時の残額が引き続き繰り越しとなっている。 新たに繊維収束剤や乾燥ヒーターなども必要となっており、残額をこれらに充当する計画である。 その他については、調査研究費、計測装置消耗品の購入、ソフトウェアサポート料など当初の計画どおり使用する予定である。
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