本研究は、炭素繊維やアラミド繊維など「産業用繊維」を、従来の衣料製織技術と同様に、空気流を利用して飛ばしたり保持したり移動させるなど、繊維を自在に操るための空気力学的特性を明らかにしようとしている。円形断面の材料において、空気摩擦抗力係数は糸半径を代表長さとする半径レイノルズ数で整理できることがわかったが、繊維をテープ状に収束させた材料では、剛体平板と同様に、繊維長を代表長さとする長さレイノルズ数で整理できることがわかった。空気抗力係数の大きさに影響を及ぼす因子としては、拘束条件、糸半径、テープ幅、繊維の柔軟性があげられる。これらは繊維が空気流によって振動する「はためき」に大きく関係している。
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