熱泳動とは、温度勾配のある場に浮遊する微小な粒子が低温側に向かって力を受ける現象のことで、粒子状物質の挙動を予測したり制御したりする際に考慮する必要がある現象である。本研究では、この熱泳動現象に対してガス成分がどのように影響を及ぼしているかを調べるため、微小重力装置を用いて実験を行い理論モデルを検討した。実験データを解析したところ、理論式中に含まれるパラメータである適応係数がガスの種類によって異なることがわかった。気体分子のどの物性値がその適応係数を決定づけているのかを検討した結果、分子直径との相関が強いことがわかった。また、混合ガスに対して適応係数を算出する最適な方法を明らかにした。
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