熱CVD法によってシリコン基板上に均一な薄膜を形成するには、浮力による流れの不安定現象についての理解が必要不可欠である。本研究は、とくにバレル型および台座型熱CVD炉でみられる体系、すなわち鉛直下方に一様な流速で流れる強制対流気流中に、加熱された基板面を流れに対して水平または傾斜させて設置した体系を対象に、浮力によって基板面上の流れが不安定となるメカニズムおよび条件を流れの可視化により探った。また、この流れの不安定が、加熱面の局所伝熱(物質伝達)特性に及ぼす影響を伝熱実験により調べた。さらに、この実験データを無次元整理することにより、流れの不安定と伝熱特性を支配するパラメータを明らかにした。
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