研究課題/領域番号 |
24560231
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
劉 秋生 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (80294263)
|
研究分担者 |
福田 勝哉 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (10127417)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 非定常熱伝達 / ヘリウムガス / 伝熱促進 / 高温ガス炉 |
研究概要 |
捻り(ねじり)発熱体の強制対流伝熱促進を解明するため,広範囲の実験条件下で捻り発熱体を用いたヘリウムガスの強制対流熱伝達過程の発熱体表面温度,熱流束,熱伝達係数等実験データを集積し,発熱体の幅及びねじれ角度の影響を調べた。実験装置は,熱入力制御システム,データ計測・処理システム及び強制対流伝熱実験装置の三つの部分からなる。熱入力制御システムより,発熱体に電流を流し,発熱体に種々発熱率を与えた。発熱体の平均温度は予め求めておいた発熱体温度と抵抗との関係を用いて算出した(電気抵抗法)。試験発熱体表面からの熱流束は,発熱体の熱のバランスより求めた。試験発熱体表面温度は,発熱体内の非定常熱伝導方程式より求めた。熱伝達係数は,熱流束と表面温度差より求めた。実験結果より,熱伝達係数は発熱体の幅が小さいほど増加し,幅の影響を大きく受けることが判明した。また,ねじれ発熱体の熱伝達係数は同様な幅を持つ平板発熱体に比べ10%増加していることが解った。実験と並行して,発熱体を用いた強制対流熱伝達過程の理論解析も進めた。発熱体のまわりにヘリウムガスが流れ,それを物理モデル化し,理論解析を行った。実験と同様,円管流路の中心部に流れる方向と平行に発熱体が置かれている。流体と発熱体はヘリウムガスと白金とする。流体における連続の式,運動方程式,エネルギー式といった基礎方程式,固体領域におけるエネルギー式,及び境界条件を三次元座標系において連立させ,発熱体内部の発熱率を変えて強制対流熱伝達の数値解析を行った。解析結果として,発熱体の表面温度の上昇,表面熱流束及び熱伝達係数の時間的な変化を求めた。これから解析データを分析し実験データと比較しながら,解析モデルを精確的に捉え,継続して解析データを収集する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の実験データの収集及び数値解析がおおむね順調に進めている。それらの研究成果をまとめて,雑誌論文及び学術学会での発表が計13編行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,平成24年度の研究内容に続き,実験データの収集と数値解析を行い,ねじり発熱体による伝熱促進のメカニズムを解明する。 昨年度では,計画していた実験データを収集することができたが,実験装置の中の一つの計測機器に故障が発生し,研究費の一部を繰越し翌年度の研究費と合わせて新たに機器を購入する必要があった。繰越した研究費を実験用機器(流量計)の購入に当てることを計画している。流量計はすぐ購入できる見込みであるため,研究計画に特に変更がない。
|
次年度の研究費の使用計画 |
昨年度では,実験装置の中の一つの計測機器に故障が発生し,研究費の一部を繰越し翌年度の研究費と合わせて新たに機器を購入する必要があった。繰越した研究費を実験用流量計(タービンメータ)の購入に当てることを計画している。翌年度の研究費の一部を流量指示計の購入に使用する予定である。また,翌年度の研究費の残りの分は計画通りヘリウムガスなどの消耗品の購入及び成果発表のための旅費に使用する予定である。
|