申請者らによって開発されてきたナノ白金熱線センサを基盤として、ナノスケールでの汎用的熱計測技術を構築すべく、まず、CNTをプローブとした走査型熱顕微鏡を開発した。最大の問題点である接触熱抵抗をキャンセルして0.5Kの精度で表面温度を測ることに成功し、CNTの強度から50nm程度の空間精度を維持できた。次に、ナノ構造と熱伝導率を比較可能とするシステムについては、集束イオンビーム照射によってCNTの構造を変化させながら熱伝導率を計測するシステムを開発した。また、白金薄膜を懸架状態にせずに利用する手法についても検討し、表面温度に加えてSi/SiO2間の界面熱抵抗を測定することができた。
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