研究実績の概要 |
1.研究代表者が従来実測により収集してきた,地球温暖化への影響が少ない代替フロン物質の熱物性値情報を,査読論文や国際会議により公表しているものを優先して,純物質冷媒20物質,混合物21混合系についてデータベースを作成した.スクリーニングに活用できる今回作成した熱物性値情報は,臨界定数,飽和密度,表面張力,飽和蒸気圧,定圧比熱,PvT および PvTx 性質,そして気液平衡性質である. 2.データベースは平成24年度から研究代表者の研究室ホームページより公開されている.平成26年度には,混合系の選択が,一覧表から探しやすく検索できるようにインターフェースの改善を行った. 3.新規代替フロン物質は,新物質や新しい組み合わせの混合物が次々と登場している,世界中の冷媒メーカーから,最新でかつ利用可能性の高い新物質や新混合物試料を直接入手し,熱物性値測定を新規に計測した.平成26年度に測定した物質は,純物質はR1243zf, 2成分系混合物は R134a+R245fa, R1234yf+R1234ze(E), R1234ze(E)+R1234ze(Z), R32+R1234ze(Z), R134a+R1234ze(Z) .そして3成分系混合物では R32+R1234yf+CO2である. 4.研究成果を公表するため,平成26年度は国内では佐賀と東京,海外では韓国とイタリアで成果発表を行った.平成27年度には,アメリカおよび日本で開催される国際会議で成果を発表することが決まっている. 5.新規に測定した熱物性値情報は,全世界で標準プログラムとして利用されているアメリカの国立標準技術研究所(NIST) で作成されたREFPROP と国際連携して,イタリアの研究者ともつながり,全世界に情報公開されている.
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