本研究では、走行環境のリスク予測およびドライバの常時運転状態監視に基づき、熟練運転者のように高い確率で事故を自律的に回避するためのモビリティ知的運動制御システムを開発することを目的とする。平成26年度の実績は、以下である。
前年度に引き続き、熟練ドライバの行動から走行リスクポテンシャルのパラメータ同定を行った。車両周辺の移動物体に対する衝突リスクが存在する場合、衝突リスクポテンシャルを時々刻々演算し、最適化アルゴリズムを用い規範モデルに基づきリスクに対する規範車両応答を決定する計算手法を提案し、その有効性を確認した。また、規範値と現在の行動との差を最小化する衝突自動回避システムを設計し、シミュレーションおよび実車実験によりその有効性を検証する。実験車両の加減速制御と操舵制御システムを用い、環境リスクポテンシャル予測モデルを内蔵し、時々刻々の周辺環境の動的変化に対応可能な危険自動回避システムを設計し、実車実験によってその有効性・実用性を確認した。
また、今年度は主に研究計画の通り研究を実施でき、各方面で研究成果発表および雑誌論文への投稿を行うことができた。
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