平成26年度は,平成25年度に引き続いて,しゃくとり虫型に変形する弾性材を設計・製作し,その基礎特性の測定や回転装置による駆動性能を検証した.また,駆動方法の検討を行った. まず,弾性材の厚さを0.2mmから0.4mmに変更した部品の設計・製作を行い,しゃくとり虫型変形に必要な力や変位拡大率の測定,さらに駆動性能を検証した.その結果,変形に必要な力はこれまでの4倍程度必要であり,変位拡大率はステータ固定部の寸法の影響で約半分であった.なお,駆動性能は,これまでとほとんど変わらなかった. また,弾性材を回転体に押し付ける与圧を調整するため,コイル型ばねを導入した装置の設計を行い,駆動性能を検証した. さらに,センサを用いることなく物体を目標位置に移動させるため,1波形分の駆動により物体がどれくらい移動するかを求め,駆動周波数とサンプリング周期の関係から指令信号を生成して圧電素子に印可し,動作させる実験を行った.その結果,駆動周波数が低い場合には誤差は小さかったが,駆動周波数が高くなると目標位置に対して実際の回転角度は差が大きくなった. 以上の結果により,板状部材をしゃくとり虫型に変形して物体を駆動する超音波モータの基礎的な性能を検証することができた.
|