研究課題/領域番号 |
24560286
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
前田 雄介 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (50313036)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 知能ロボティックス / ロボット教示 / 産業用ロボット / マニピュレーション |
研究概要 |
ビューベースト教示再生の多様なマニピュレーションへの展開へ向けて,グラスプレス・マニピュレーションのひとつである押し操作への適用を行った.複数回教示を行うことで,作業条件変化に対してロバストな教示が可能であること,また,1~2mm 程度の精度での位置決めが可能であることなどを実機ロボットを用いた実験により確認した.これにより,ビューベースト教示再生が,従来の教示再生の代替として使用できるほか,一定の作業条件変化にも対応できる手法であることを示した. さらに,ビューベースト教示再生における複数・異種センサ情報の利用の一環として,カメラ画像のほか距離画像も併用することで,照明条件の変化などへのロバスト性を高める方法を開発し,こちらも実機ロボットを用いた実験によりその有効性を確認した.照明条件の変化に応じて,カメラ画像と距離画像のどちらを用いるべきかをリアルタイムに切り替える手法や,オクルージョンの影響を軽減する手法の開発も行い,ビューベースト教示再生のロバスト性をさらに高めた. また,動力学シミュレータ上の仮想環境を用いて,強化学習の導入を行った.Actor-Critic ベースの強化学習アルゴリズムを用い,試行錯誤によってニューラルネットが自律的に改善されるようにし,把持操作や押し操作でそれが機能することを確認した.この結果は,今後,ビューベースト教示再生において人間の教示の手間をさらに減らすことにつながる技術である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究実施計画に沿って研究を行うことができたため,研究の進捗は順調である.実施計画のうち,2台以上のカメラを用いたビューベースト教示再生は実施できなかったが,その代わりに,次年度の実施予定であった,カメラ画像と距離画像を併用したビューベースト教示再生を実現することができた.同種センサの利用よりも高度である異種センサの利用を実施できたことから,研究の目的の達成に向けて問題はないと考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
ビューベースト教示再生における主成分分析やニューラルネットなどの計算を高速化するため,CPU による SIMD 処理や GPGPU などの利用を進める.また,押し操作だけでなく,ピックアンドプレイス操作や多指ハンドによる操作など,多様な作業への適用と検証を進める.
|
次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の実験において,過去に作成した部品を有効利用できたため,次年度使用額が生じた.次年度に請求する研究費と合わせ,次年度に行うビューベースト教示再生の実験環境の構築・充実のために使用する予定である.
|