研究課題/領域番号 |
24560286
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
前田 雄介 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (50313036)
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キーワード | 知能ロボティックス / ロボット教示 / 産業用ロボット / マニピュレーション |
研究概要 |
マルチコア CPU における並列処理や SIMD 拡張命令(Intel AVX 命令)を利用した主成分スコアの計算など,ビューベースト教示再生におけるオンライン処理の高速化に取り組んだ.その結果,VGA 解像度の画像に対して最大 140 フレーム/秒でのビューベースト教示再生が可能であることを実機ロボットによる押し操作の例で確かめた.計算能力としては 200 フレーム/秒までは対応可能であることも確認している. また,2本指・4自由度ロボットハンドによるマニピュレーションにビューベースト教示再生を適用し,指先による把持や in-hand マニピュレーションなどが実現可能であることを実機システムで確かめた.複雑なマニピュレーションにはニューラルネットワークへのリカレント構造の導入が有効であること,内力制御の実現には関節コンプライアンスが利用できることなども確認した.ただし,教示内容の汎化についてはさらなる検討が必要である. そのほか,ビューベースト教示再生の基本特性の評価や強化学習などへの利用に向け,動力学シミュレータベースの仮想環境の改善を行った.従来の仮想環境からの操作性の改善のためハプティックインタフェースを導入したほか,実機を模したアーム・ハンドシステムを構築し,より現実的な仮想環境となるようにした.また,実機システムと同様,オンライン処理の高速化を行うことで,仮想環境での実験・評価がより短時間で行えるようになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度の成果も含めると,当初予定での平成25年度実施予定の内容を,ほぼ 100% 実現できている.また,in-hand マニピュレーションへの適用など,平成26年度に実施予定であった内容を一部前倒しで実現できている.したがって,当初の計画以上の進展と判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行ってきたマニピュレータによる押し操作やロボットハンドによる把持操作・in-hand マニピュレーション以外にも,ビューベースト教示再生の適用先を広げ,本手法の有効性を検証していく.また,仮想環境を利用した評価を進め,手法の改善や有効な教示手順などに役立てる.
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次年度の研究費の使用計画 |
パソコンの価格変動などの理由により,わずかに次年度使用額が生じた. 次年度使用額は些少であるため,使用計画を大きく変えることなく有効に使用する予定である.
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