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2012 年度 実施状況報告書

移動ロボットの軽量化法と対地適応安定化のための機構と制御の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560287
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

岡田 徳次  新潟大学, 自然科学系, フェロー (60194362)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード知能機械 / メカトロニクス / 移動ロボット / 車いす / 有限要素法 / サスペンション
研究概要

アクチュエータを含めたロボットの制御装置を右端と左端の剛な部分に配設できることから、両端を結合する1枚の基板として弾性材を採用し、これが利用者を含めた車体荷重に十分耐え、かつ、四隅の車輪軸支持相当箇所にサスペンションを装備可能にするのに適する縦横サイズを定めた。また、そこから切り落とす長穴部分の形状、長さ、向き、数を有限要素法に基づく静的構造解析計算によって定量的に定め、軽量化に有効な構造設計法を見出した。なお、計算には年間レンタル契約をしたサイバーダイン社の静的構造解析ソフトANSYS Workbench バージョン14.0を使用し、基板モデルをDesign Modelerで作成し、解析計算をMechanicalで行なった。また、車輪軸相当箇所におけるサスペンション特性としての弾性率の評価式を明らかにし、実測値との比較により力学解析の妥当性と有効性を実証した。実際に、市販車いすの標準仕様をもとに車体基板として必要なサイズを定め、搭乗者体重を65kgとして車体を含めた全荷重中心が基板中央から縦横に±10cm以内で移動する際の四隅における最大撓み量を7cm以上にする基板の加工仕様を有限要素法による計算で明らかにした。これらの結果から力と撓みの相関を数学的に処理し、最適仕様を解析的に見出す手法を提案した。この手法は、他の三次元形状に適用した結果から判断して車いす以外のロボットにも有効に使えることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

有限要素法の計算に適した高精度で高信頼性な構造力学解析ソフト(サイバネットシステム社製 ANSYS Academic Teaching Advanced 5Tasks)を1年間のレンタル契約で使えるようにしたが、そのインストールに予想外の時間を浪費した。しかし、インストール後は、順調にANSYS Workbench Mechanicalの使い方をマスターし、これを使って当初の計画を進め、予定した目標を達成した。

今後の研究の推進方策

車輪と足の運動独立性に注目し、動作自由度数6のロボットについて最適な自由度配分を考える。実際に、対地適応パターンとして8種があり、移動能力の差を明らかにする。その中でもとくに、右車輪の前後、左車輪の前後、そして各車輪に取り付ける複数足を同期させて四つの車輪ごとにそれぞれ個別に制御可能にする機構が移動性能の向上に最適なことを示し、その運動機構を設計する。その際、ロボット上に占める駆動装置と制御装置の領域を小さくすることを重視する。このため、基板の撓み特性を阻害しないように減速機構を含めた左右それぞれ三つのモータの軸を横にして剛な部分に固定する。
また、座席確保のために左右の剛部に橋渡す構造材を設計する。足駆動力伝達用の軸は外注してセレーション加工し、角度キャリブレーションを容易にする。さらに、各車輪に取り付ける複数足をPEOPLER-IVのように2グループに分けずに常時互いに平行を保って向きを変える運動機構にし、前後左右の車軸高さを変えて斜面上におけるロボット車体基板面を水平に制御し、搭乗者が安定した自然姿勢を取り易くするロボットの運動機構設計法と、重力センサからの情報に基づく制御プログラムを開発し、試作するロボット(PEOPLER-V)でそれぞれの有効性を実証し、実用機の開発につながる見通しをつける。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Trajectory estimation of a skid-steering mobile robot propelled by independently driven wheels2012

    • 著者名/発表者名
      Tokuji Okada, Abeer Mahmoud, Wagner Tanaka Botelho, Toshimi Shimizu
    • 雑誌名

      Journal of ROBOTICA

      巻: Vol.30 no.1 ページ: 123-132

    • DOI

      doi:10.1017/S026357471100035X

    • 査読あり
  • [学会発表] 二つの傾斜センサを用いるロボットの対地移動状況把握2012

    • 著者名/発表者名
      岡田徳次、手塚 悟、三村宣治、和田 博
    • 学会等名
      第30回日本ロボット学会学術講演会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      20120917-20120920
  • [学会発表] Smooth walk of a skid-steering vehicle consisting of feet jointed to each wheel rim2012

    • 著者名/発表者名
      Tokuji Okada, Satoru Tezuka, Hiroshi Wada
    • 学会等名
      15th Inernational Conference on Climbing and Walking Robots (CLAWAR2012)
    • 発表場所
      Johns Hopkins University (USA)
    • 年月日
      20120723-20120726
  • [図書] Adaptive Mobile Robotics (ISBN-978-981-4415-94-1)2012

    • 著者名/発表者名
      A.K. Azad, N.J. Cowan, M.O. Tokhi, G.S. Virk, R.D. Eastman
    • 総ページ数
      881(うち585-594を分担執筆)
    • 出版者
      World Scientific
  • [備考] Robotics & Mechatronics Laboratory 研究紹介

    • URL

      http://okada.eng.niigata-u.ac.jp

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公開日: 2014-07-24  

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