研究課題
車体の姿勢変化を低減する目的で車輪に足を付け、これを車軸位置の高さ調整に用いるのに適した少ない動作自由度数の構造設計について検討した。具体的に、これまでに開発した4WSSVを実験機として改修流用し、各車輪の半径に近い長さの足を6 本付けるロボットの運動機構と車体の制御法を明らかにした。車体には二つの傾斜センサを直交させて固定し、センサ情報をマイコンで処理して路面の傾斜角と横切り角を実時間で計測し、車体の姿勢を柔軟に変更可能にするプログラムを開発した。これにより搭乗者に求められる細かな指令の負担を軽減し、移動方向程度の簡単な情報のみでロボットを操縦できることを学内廊下のスロープ箇所で確認し、車体の水平制御動作を実証した。ただし、横切り角は45 °である。スロープを横切り移動する実験ではセンサ情報を用いてピッチ角±4.96 °、ロール角±5.33 °の範囲内で車体面の水平制御を可能にした。6 個のアクチュエータには引きずるケーブルを介して駆動エネルギーを供給した。また、車体基板に弾性素材を用いる新たな発想に基づき、ロボットのコンパクトな設計に有効なサスペンションレス基板の採用を提案し、基板加工時に切除する長穴パターンを示し、購入した市販の有限要素法解析ソフトANSYS Academic Standards Vr14.0を使い、基板の相当応力と変形量の解析法を明らかにした。不要部を切り取って基板にサスペンション機能を付加することは、車体構造の簡素化と軽量化に有効な対策であることを示すことができた。ロボットのサイズや用途に応じたサスペンション特性を満たす基板切り落とし法の詳細な検討が今後重要と考える。
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J. of Automation, Mobile Robotics and Intelligent Systems
巻: 9(2) ページ: 43-52
10.14313/JAMRIS_2-2015/17
http://okada.eng.niigata-u.ac.jp