研究課題/領域番号 |
24560288
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
菅沼 直樹 金沢大学, 機械工学系, 講師 (50361978)
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キーワード | 自律走行自動車 / 自動車の周辺環境認識 / Occupancy Grid Maps / 移動物体の運動推定 |
研究概要 |
自動車の自動運転に関する研究は,運転負荷軽減,快適・安全性向上,交通容量増大等が見込まれ,重要な研究分野の1つである.しかし市街地の複雑な環境をロバストに理解し,ディペンダビリティの高い自律型自動運転を行うことの難しさから,技術的課題が多く空白の問題として取り残されていた.そこで本研究課題では,市街地を含む交通環境下における自動車の自律的自動運転を目的とし,平成24年度~26年度の3か年で,①複雑な車両周辺環境を車載センサによりロバストかつリアルタイムに認識し,②センサの精度・不確かさを考慮し,上記認識結果に基づき現在地から目的地まで自律的に走行可能な信頼性の高い走行軌道生成・誘導アルゴリズムについて研究を行うことで,安全安心かつ交通ルールに則って自律的に走行可能なディペンダビリティの高い次世代型自律自動運転システムの開発を行うことを目的とする.このうち,平成25年度は以下の内容について研究を行った. ・走行軌道生成系の基礎検討 H24年度に構築した占有格子地図(Occupancy Grid Maps)に基づく静止物体マップ,移動物体検出法をもとに,車両が障害物に衝突せず走行可能な軌道を生成するアルゴリズムを構築した.また構築したアルゴリズムをベースとして,シミュレーションにより,障害物回避走行,先行車両追従走行,定速車両追い越し等の機能が実現できることを確認したのち,テストコースにおける実車実験を通して,これらの機能が実際の車両を用いた場合でも問題なく機能することを確認した. ・周辺環境認識系の詳細検討(移動物体の種別推定) オンボードセンサ情報と精密に時刻同期可能なステレオビジョンシステムを構築した.また構築したステレオビジョンを用いて障害物を検出し,検出した障害物の種別が歩行者であるか否かを識別するアルゴリズムを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・走行軌道生成系の基礎検討 走行軌道生成に関しては,当初シミュレーションによる検討を目標としていたが,実際の車両上に実装し,車両実験により構築したアルゴリズムを用いて有効にアルゴリズムが機能することを確認したためである.また実装したアルゴリズムは,ITS世界会議2013,東京モーターショー2013,ADVANTYシンポジウム2013においてデモ走行を行うなどの成果公表にも努めている.また,NHKニュースウォッチ9,朝日新聞,日刊工業新聞,日経新聞等の各種報道にも取り上げられるなどの大きな成果を残した. ・周辺環境認識系の詳細検討(移動物体の種別推定) ステレオビジョンシステムに基づく移動物体の種別推定に関して,アルゴリズム構築に際して連携研究者との密接な協力によりリアルタイムに視差画像を生成することを可能とした.ただし,視差画像をもとに歩行者を識別するアルゴリズムについては,リアルタイム処理が不十分であるため今後この問題を解決する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
今年度も,概ね研究実施が当初の研究計画通りに進展したため,実施計画書に記載の研究計画に従い,研究実施を行う予定である.また,次年度は研究計画の最終年度であるため実車実験を増加させ,市街地でも走行可能な能力をもつディペンダビリティの高い自動運転システムの構築を目指し,開発を進める.
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