研究課題/領域番号 |
24560289
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安達 正明 金沢大学, 機械工学系, 教授 (50212519)
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キーワード | 3次元形状計測 / 距離計測 / 波長走査 / 振動 / スペックル干渉 / 位相差マップ |
研究概要 |
電子基板上の部品群の3次元形状を高速で計測するには光とカメラを使った距離計測法が必須である.本研究では距離計測に波長走査を用いた干渉応用法を選んでいる.電子基板を検査する場所では環境に微細な振動が残るので,振動環境下でも使える干渉像の位相分布測定法の独自開発を試みてきた.ブルーレーザ光源と高速ラインカメラを用いて振動による光路差変化を高速抽出し振動影響をキャンセルする方法や,視野全域を撮した干渉像から振動による位相変化量を抽出して振動影響を位相分布から除去する方法を試した.その結果,後者の方法が非常に有効と分かった.そこでレーザ光源の発振波長を778nmにして振動環境下で干渉像を20枚以上取込み最初の1枚目の干渉像の位相分布を抽出し,レーザ波長を長波長側に0.05nm変えて干渉像を取込み同じく位相分布を抽出し,さらに長波長側に0.5nm変えて干渉像を取込み位相分布を抽出して,波長を変える時の位相差変化からカメラの各画素での光路差を抽出してみた.その結果,雑音信号は残るものの電子基板の3次元形状を垂直方向から測定できた.この雑音の原因を追及したところ,レーザがある波長域になると位相差マップで雑音が大きくなり,その波長での光源の発振特性に理由がありそうだと分かった.そこで,雑音が大きくなる波長域を避けて計測する方法を検討し低雑音化を図った.その結果,0.1mmの距離分解能で3次元形状計測が可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
振動環境下での波長走査に伴う干渉計測を実施して,垂直方向からの距離計測の高さ分解能で0.1mmを実現できた.また,使用する対物レンズは通常の1眼レフのズームレンズであり,作動距離も約20cm以上を実現でき,広い視野で電子基板の部品群の3次元形状計測が高精度にできる目処が立った.
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今後の研究の推進方策 |
干渉光学系のコンパクト化と3次元形状計測精度の高精度化,そして計測速度の高速化に取り組む必要がある.組み上げた光学実験系で干渉計測を行っているが望まない反射光が入り込んだり,レーザー光源からのビーム強度が楕円分布であることなどから,視野の一部で雑音強度が高い状況にある.そこで光学系を再検討し,またビームの楕円形を修正する光学系を組込み,さらにデータ処理アルゴリズムを見直すなどして,性能向上を試みる.
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次年度の研究費の使用計画 |
残額が少額であり,順調に研究も遂行できたため,無理に0にする必要なし判断されたため 少額であり,特段の使用計画は必要とならない
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