研究課題/領域番号 |
24560293
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 太 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (50314042)
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研究分担者 |
中本 裕之 神戸大学, その他の研究科, 助教 (30470256)
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キーワード | ロボットハンド / 遠隔操作 / モーションキャプチャ |
研究概要 |
操作者の手腕によるロボットハンドの遠隔操作において、操作者にロボットハンドの作業感覚をいかに提示するかは、その作業の成否に関わる重要なことである。本研究は、ハンド/アームロボットの遠隔操作において、操作者に操作感覚を提示するシステムを構築することを目的とし、具体的な研究項目として,①作業反力提示装置の開発、②拡張現実感技術を用いた把持物体提示装置の開発、③システム統合化、を実施している。平成25年度においては、上記研究項目の内、主に把持物体提示装置に関する研究を行なった.把持物体提示装置では、あたかも自身の手で把持物体を把持しているように認知することを目指し、自身の手の先に把持物体があたかも存在するように仮想物体を拡張現実感(AR)技術により提示することが必要となる。そのため、3Dモーションキャプチャを予定通り購入・設置し、操作者の手の位置を計測するシステムを構築した。ここで、3Dモーションキャプチャでは、手の位置を計測するため、上腕・前腕・手の3箇所に光学式マーカーを設置し、操作者の肩・肘・手首の関節角度を計測した。また、光学式マーカを利用した場合、手や腕が操作者の体に隠れてしまい、計測ができなくなることがあった。そこで、操作者の腕に装着可能な慣性式モーションセンサを活用し、3Dモーションキャプチャと慣性式モーションセンサを併用するシステムを構築した。構築した計測システムを用いた手位置計測実験を実施した所、安定して操作者の手の位置を計測することが可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、ハンド/アームロボットの遠隔操作において、操作者に操作感覚を提示するシステムを構築することを目的とし、具体的な研究項目として,①作業反力提示装置の開発、②拡張現実感技術を用いた把持物体提示装置の開発、③システム統合化、を実施している。平成25年度においては、上記研究項目の内、把持物体提示装置に関する研究を計画通り実施し、3Dモーションキャプチャによる手位置計測システムを構築、検証した。一方、3Dモーションキャプチャでは、手や腕が操作者の体に隠れた場合、安定した手の位置の計測ができない問題が発生したが、操作者の腕に装着可能な慣性式モーションセンサを活用し、3Dモーションキャプチャと慣性式モーションセンサを併用するシステムを構築した。以上のように、現在までおおむね計画通り研究は遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に引き続き、拡張現実感技術を用いた把持物体提示装置の開発を実施する。把持物体提示装置では、あたかも自身の手で把持物体を把持しているように認知することを目指し、拡張現実感(AR)技術を用いる。ARは、現実環境に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示することを特徴としており、AR技術を活用することにより、自身の手の先に把持物体があたかも存在するように本装置で提示することが可能となる。平成25年度において、3Dモーションキャプチャと慣性式モーションセンサを併用することで操作者の手の位置を計測することが可能となったことから、次に、操作者の手先位置が検出可能となった後、仮想物体をヘッドマウントディプレイ上に提示する提示用画像生成を行う。 把持物体提示装置の作成後,作業反力提示装置と把持物体提示装置を用い,システム統合化を行う。作業反力提示装置における応答速度の向上および視覚への把持物体提示により、操作者はハンド/アームロボットと把持物体との接触情報や相対位置情報を認識することが可能となり、ハンド/アームロボットの容易な遠隔操作が可能である。ここで、統合化により、それぞれの装置に不具合が生じる場合には、開発に立ち戻り、改良を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度においては、分担者とともに海外出張を実施したため、当初の予算より支出が増加した。そのため、物品として購入予定であったヘッドマウントディスプレイの購入ができず、そのため、次年度に使用可能な研究費が生じた。 今年度生じた研究費は,今年度購入できなかったヘッドマウントディスプレイの購入の一部に使用する計画である。
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