研究課題/領域番号 |
24560298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
佐久間 俊雄 大分大学, 工学部, 教授 (10371303)
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研究分担者 |
長 弘基 大分大学, 工学部, 助教 (00435421)
山本 隆栄 大分大学, 工学部, 助教 (20295166)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 機械力学・制御 / 制御工学 / 先端機能デバイス |
研究概要 |
1.SMAアクチュエータの設計支援ツールを開発するため,アコモデーションモデル用いて引張-除荷過程などにおける応力-ひずみ関係の計算を行い,実験結果との比較・検証を行った.計算結果と実験結果とは定性的には一致しているが,定量的には不十分であった.今後この点を改善し計算精度を高めるために,計算に必要な材料定数の決定方法を検討するとともに,アコモデーションモデルの改良を行う予定である. 2.単軸インチワーム機構の製作を行い,良好に動作することを確認した.位置制御性能などの性能評価は平成25年度に実施し,制御方法の最適化を図る. 3.平成25年度に実施予定であったSMAアクチュエータの「位置+トルク」制御システム用試験装置本体および制御回路の製作を行い,SMAが過負荷になるのを防ぐための電流制限値とアクチュエータの最大移動量および移動速度との関係,さらに,アクチュエータが途中で拘束された際にSMAに生じる損傷量(塑性ひずみ量)との関係について調べた.その結果,電流制限値を適切に設定することでSMAの損傷を防ぐことが可能であるが,電流を常に制限する方法では電流制限値の低下に伴いアクチュエータの最大移動量および移動速度が低下し,目標値まで移動させることが出来ないことがわかった.今後はSMA自体を荷重センサーとして使用し,アクチュエータが拘束を受けている状態の時のみに電流を制限する方法を検討する.具体的にはアクチュエータが拘束を受けた際に,抵抗値-時間関係,電流値-時間関係などにどのような変化が見られるかを詳細に調べ,SMAを用いて荷重を検出する手法を開発する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.アコモデーションモデルを用いた計算結果と実験結果との比較では定性的には一致していたが,定量的に不十分であった.しかしながら,材料定数の決定方法の改善とアコモデーションモデルの改善で計算精度を高めることは十分可能であると考えている. 2.単軸インチワーム機構の製作し良好に動作することを確認できた. 3.平成25年に実施予定であったSMAアクチュエータの「位置+トルク」制御システム用試験装置本体および制御回路の製作を行い,基本的な試験を終えることが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
設計支援ツールの開発,インチワーム機構の製作に関しては概ね予定通りに進んでいるといえる.SMAアクチュエータの「位置+トルク」制御システムの開発に関しては,電流を常に制限する方法では目標値まで移動させることが出来ないことが明らかになったため,SMA自体を荷重センサーとして使用し,アクチュエータが拘束を受けている状態の時のみに電流を制限する制御システムを開発する.SMA自体を荷重センサーとして使用するのが困難であった場合はひずみゲージを用いてSMAが受ける負荷を検出し,アクチュエータが拘束を受けている状態の時のみに電流を制限する制御システムを完成させる.
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次年度の研究費の使用計画 |
既存のレーザー変位計を流用して「位置+トルク」制御用試験装置本体を製作することが出来たので,新たにレーザー変位計を購入する必要がなくなったこと,材料費および旅費が予定よりも少額で済んだことなどにより当該助成金が生じた.平成25年度は,「位置+トルク」制御システム用制御回路の改良(アクチュエータが拘束を受けている状態の時のみに電流を制限する制御システムの製作),「屈曲+面回転」回転制御システムの製作およびグリッパー塔載移動ロボットの製作などに研究費を使用する.
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