本研究では,淡水魚調査が可能となりうる小型魚ロボットの開発を目的としている.最終年度に該当する平成26年度において,以下の研究成果を得た. (1) 魚ロボットの自己位置推定に関して,平成25年度に引き続いて研究を行い,デジタル画像相関法と,ジャイロセンサーによって得られるヨー角とロール角を用いて,推定精度を向上させた. (2) スピーカーとマイクロホンによる自己位置推定法を考案し実践した. (3) カメラを搭載した魚ロボットを2体,新しく開発した.1体目は超小型ラインレーザー照射装置を2つ備え,ロボットの前方に位置する魚にレーザー光を照射することで,ロボットを基準とした遊泳魚の座標を特定できる.2体目は,FPGA,広角レンズ付きカメラ,浮沈装置,2関節駆動の尾ひれ,バッテリー,操縦用受信機の全てを内装しているにもかかわらず,全長がたったの170mmしかない超小型魚ロボット(SAPPA)である.このSAPPAは,推進速度102mm/s,旋回半径125mm,沈降時下向き角度50度,浮上時上向き角度60度で,極めて機動性が高い.また,前方のカメラでプール内の魚(和金など赤色の魚に限る)を魚として判別させることができた. (4) 淡水魚調査水域では浅いため電波がロボットに届く.逆に,ロボットが捉えるカメラの映像を無線で高速に大量のデータを送ることも可能と考えられる.データ圧縮復元法を開発した.
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