研究課題/領域番号 |
24560306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
景山 一郎 日本大学, 生産工学部, 教授 (10120403)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 注意低下 / 動態視力 / 視覚特性 |
研究概要 |
交通事故死者数は近年大幅に減少し、年間5000名以下となっている。この死者数減少は最高速度違反および酒酔い運転による死者数減少に依存しているものと考えらるが、その後主要因となった漫然運転や脇見運転等の減少が少なく、今後大幅な死者数減少は期待できないものと考えられる。これらの要因を減少させるためには、ドライバの状態計測および評価が重要となるが、未だ手法が確立していない。そこで、本研究では交通事故死者数削減の観点からドライバの運転状態計測および評価手法を確立することを目的としている。ドライバが安全運転を行うためには、その注意力の状態を把握し注意低下時に注意喚起や運転支援を行うなどの対策が考えられるが、その前提として、ドライバの視覚獲得状態を把握することが重要となる。本年は全体の流れおよび特にドライバの情報収集上重要な視覚特性の概要を明らかにするために、予備実験を中心に行った。特に注意低下評価の観点から、中心視における注意レベルが周辺視に与える影響について実験を行った。特に導入したスクリーンにプロジェクタ3台を用い水平方向103deg,垂直方向22.3degの計測が可能な周辺視計測の環境を構築した。スクリーン上を移動する視標を用いて視野計測を行い、実験参加者が指標を明視してからボタンを押すまでの反応時間を考慮するため、事前に各実験参加者の単純反応時間を計測した.実験参加者は、当初2名の予定であったが5名について計測実験を行った。実験順序は被験者全員が,静的視野計測,動的視野計測,注意レベル変化時の周辺視野計測の順であり,最後の注意レベル変化では,動的視野計測時よりも計測自体に慣れが生じていた可能性がある.実験参加者は若年者であり,一般的に動特性も含めて視覚機能が高いため,当初の仮説とは若干異なる結果となった。なお、この結果を平成24年度自動車技術会秋季学術講演会において公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、装置構築に必要以上の時間を有し、本実験の内容が本来の予定までは行かず、注意レベルと中心視、周辺視等の関係について検討する段階までにとどまった。特に注意レベル変化時の周辺視野計測では,動的視野計測時よりも計測自体に慣れが生じていた可能性がある.実験参加者は若年者であり,一般的に動特性も含めて視覚機能が高いため,当初の仮説とは若干異なる結果となった。これが原因となり、実験参加者数は予定より多く計測できたが(当初2名の予定であったが5名の計測を行った)、より実際の環境に近いドライビングシミュレータを用いた生体計測までは到達できなかった。今後は,順序効果の影響が推察される実験計画の見直しを行って計測条件を追加設定し多くの実験参加者の計測に着手する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後,昨年度検討した実験方法等の最終的な確認,ならびに結果解析を通じた最終評価方法の確認を実施する.特に必要に応じて装置の改良を行い,データの再現性ならびに他の装置との対応から信頼性の確保の検証を行う.これにより確立した実験方法を用い,約10~15名程度の被験者に対する実験を実施する.この実施にあたり前述のDSQ,WSQを実施し、被験者のグループ分けを行う。さらに、これらの被験者の結果を再現性等の面から検討し、5名程度に絞り詳細な実車実験を実施する。この中で、特に漫然運転や脇見運転等の状態と今後のシミュレータの結果との対応を取り、このような運転状態の違いを認識しうる処理等について検討を行う。 特に評価手法を確立する点と、再現性に重点を置き、実験および解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究費は、主に実験時の消耗品(生体情報計測用端子等)、実験参加者への謝金等および実験時および解析時の補助者への謝金支出を計画している。また、本研究での成果報告として、学会における発表を計画しており、その旅費も支出する予定である。
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