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2012 年度 実施状況報告書

メカニカルな可動部をもたない注目点移動可能な広角中心窩センサに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560307
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

清水 創太  東京大学, 大学院情報学環, 特任准教授(移行) (20328107)

研究分担者 佐藤 進  秋田県産業技術センター, 電子光応用開発部, 技術顧問 (50005401)
橋詰 匠  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90103621)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードロボティクス / 液晶広角中心窩センサ / バイオメカニクス / メカトロニクス / 人間機械システム
研究概要

初年度の取り組みとして,広い視野を維持したままメカニカルな機構やアクチュエータを用いず注目点の位置を随意に変えることができる液晶広角中心窩レンズの試作機の目標仕様を定めるためのシミュレーション及び実験,電極パターンの設計とその駆動手法確立に取り組んだ.ここでは,目標仕様の設定や設計を行う設計・評価フェーズと試作機の製作を行う試作フェーズの2つを設定し,設計・評価フェーズを中心とした取り組みが実施された.
設計・評価フェーズにおいて,研究代表者が中心となって,コンピュータ,高解像度CMOSカラーカメラ,光学部品なら構成される光学系の設計・評価に必要となるシミュレーション用広視野センサ試作機(エミュレータ)を1つの拡大率可変な注目点を移動させられるように改良し,目標仕様を設定した.また,注目点移動を可能とする電極パターンを設計し,駆動手法を考案した.研究代表者は,液晶広角中心窩レンズを駆動させた際の画像映像を取得できるよう光学ベンチを構築した.また,研究分担者である佐藤は干渉光学系に基づき液晶をレンズ材料として用いた光学デバイスの特性の評価とシミュレーション解析を行った.研究分担者との打ち合わせや研究調査及び成果発表のために国内旅費の中から研究打合わせ旅費を使用した.また,設備備品費を用いて光学ベンチに必要な機械部品を購入し,試作装置を動作させるためのファンクションジェネレータを購入した.また,その他の費用を光学系設計用ソフトウェアの保守年間サポートに使用した.試作フェーズにおいては,研究代表者が液晶レンズが生み出すレンズ効果を効率的に活用するための試作機入力レンズ部を完成させた.光学機器メーカーと打ち合わせるために,国内旅費の中から研究打合せ旅費を使用した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シミュレーション用広視野センサ試作機(エミュレータ)の改良や,試作機性能評価のための光学ベンチの構築など,目標仕様の設定及び設計のための取り組みは順調に進捗しており,電極パターンの設計と駆動手法の考案が完了している.一方で,今回の試作機に使用する液晶レンズは単電極でなく多電極であるため,試作機製作の容易さとその後の特殊光学系としての取り扱いの容易さの間にトレードオフがあることを発見し,結果として電極パターンの設計において構造が単層のケース及び多層のケースの2通りが考案された.このため,試作フェーズにおいて,入力レンズ部の試作が完了したものの,注目点移動を可能とする液晶レンズ部の試作に2ヶ月ほどの遅れが生じている.

今後の研究の推進方策

平成25年度は最初の4ヶ月を用いて多電極をもつ液晶レンズ部を完成させ,その性能評価実験を実施し,1次試作機の製作から2次試作機の設計へと移行する.1次試作機では注目点を移動させることに主眼が置かれてきたが,2次試作機ではバックフォーカス調節という新たな課題が待っている.1次試作機において検討されてきた単層構造と多層構造のうち,前者のほうがバックフォーカス調整が容易であると考えられるが,多層構造でもそれが十分な性能で実現できるアイデアがあるため,これを形にするところまでを25年度中の目標としたい.平成26年度は当初の目標どおり,視野内に複数の注目点を与えるための駆動・制御手法を確立し,試作レンズを高解像度CMOSカラーカメラと組み合わせて得た像から,液晶レンズ駆動制御の際の情報に基づいて画像中の歪みを除去できるところまで研究を進捗させたい.

次年度の研究費の使用計画

設計・評価フェーズ:光学系設計が当初の計画どおりに進まない場合,光学機器メーカーに技術支援を求めるため,国内旅費の中から研究打合せ旅費を使用し,謝金から専門知識の提供費を使用する.試作レンズ完成後,光学機器メーカーにおいてMTF測定器を借用して光学性能の評価を行う.そのため,その他の費用の中から機器のレンタル料を使用する.
試作フェーズ:平成25年度にはまず液晶広角中心窩センサ1次モデルを完成させ,その後,2次モデルを試作へと移る.そのため,平成24年度に使用しなかった費用を含めて,液晶を含むレンズ材料を購入するために物品費を使用する.また,多層構造の液晶レンズセルを駆動させるために平成24年度に使用しなかった費用中,物品費を用いてファンクションジェネレータをもう1台購入する.平成24年度に使用しなかった費用を含めて,試作機を用いた評価実験の補助のために人件費を使用する.研究分担者及び光学機器メーカーと打ち合わせるために,国内旅費の中から研究打合せ旅費を使用する.また,成果発表のために国内旅費及び外国旅費を使用する.発表のタイミングは各段階の設計完了時と試作・評価完了時を予定している.その他の予算から研究成果投稿料を使用する.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Development of Micro Wide-Angle fovea Lens -Lens Design and Production of Prototype-2013

    • 著者名/発表者名
      Sota Shimizu, Takumi Hashizume
    • 雑誌名

      IEEJ Transaction on Industrial Applications

      巻: Vol.2, No.1, Sec. D ページ: 55-60

    • DOI

      10.1541/ieejjia.2.55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Disaster Back-up Support using GIS Contents Composed of Images from Satellite and UAV2013

    • 著者名/発表者名
      Sota Shimizu, Taro Suzuki, Masaya Ogawa, Yuzo Shibayama, Yoshiyuki Fukazawa, Takumi Hashizume
    • 雑誌名

      Field and Service Robotics , Springer

      巻: N/A ページ: N/A

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Classification of Gaze Preference Decision for Human-Machine Interaction using Eye Tracking Device2012

    • 著者名/発表者名
      Sota Shimizu, Yoshiaki Tanzawa, Takumi Hashizume
    • 雑誌名

      International Journal of Mechatronics and Automation

      巻: Vol.2, No.2 ページ: 75-82

    • DOI

      10.1109/ROBIO.2010.5723365

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Towards Air Hockey Robot with Tactics -Statistical Analysis of Time-Series of Gaze Point Likelihood Distribution-2012

    • 著者名/発表者名
      Masaya Ogawa, Yuya Sato, Shunsuke Kudoh, Sota Shimizu, Tetsuo Tomizawa, Takashi Suehiro, Katsushi Ikeuchi
    • 雑誌名

      Proc. of IEEE International Conference on Machine and Automation

      巻: Vol.1 ページ: 34-39

    • DOI

      10.1109/ICMA.2012.6282343

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of Micro Wide Angle Fovea Lens2012

    • 著者名/発表者名
      Sota Shimizu, Motosuke Kiyohara, Takumi Hashizume
    • 雑誌名

      Proc. of IEEE IECON

      巻: Vol.1 ページ: 3776-3781

    • DOI

      10.1109/IECON.2012.6389286

    • 査読あり
  • [雑誌論文] スーパーセンス ~広角中心窩センサを超えて~2012

    • 著者名/発表者名
      清水創太
    • 雑誌名

      日本工業出版・画像ラボ

      巻: 11月号 ページ: 1-9

  • [学会発表] 広角中心窩望遠鏡の開発2013

    • 著者名/発表者名
      清水創太,清原元輔,橋詰匠
    • 学会等名
      産業計測制御研究会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      20130307-20130308
  • [学会発表] エアホッケーロボットを通しての人間の視線運動の解析2012

    • 著者名/発表者名
      小川雅也,清水創太,工藤俊亮,池内克史
    • 学会等名
      第30回日本ロボット学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      20120917-20120920
  • [学会発表] Future Optics: Omni, Uni, and Towards Multi2012

    • 著者名/発表者名
      清水創太
    • 学会等名
      平成24年電気学会産業応用部門
    • 発表場所
      千葉工業大学津田沼キャンパス
    • 年月日
      20120821-20120823
    • 招待講演
  • [産業財産権] 幾何学変換レンズ2012

    • 発明者名
      清水創太
    • 権利者名
      清水創太
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2012/062134
    • 出願年月日
      2012-05-11
    • 外国

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公開日: 2014-07-24  

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