研究課題
3年目の取り組みでは,液晶広角中心窩レンズの中で中心的役割を果たす局所ズームユニットの設計を完了させ,続いて試作を行った.設計においては,試作する局所ズームユニットの基本指針である,(1)メカニカルな機構なしに注目点移動だけでなくバックフォーカスを調節できること,(2)液晶分子の制御により変化させることが出来る屈折率が比較的小さいため,その可塑性を最大限に活かせる光学系構造とすることの2点に加えて,結像状態が視野の一部分で劣化するという前年度の課題の解決を図った.ここでは,設計・評価フェーズと試作フェーズの2つの行程で研究を遂行した.設計・評価フェーズにおいては,2層の液晶レンズセルの屈折率分布制御により実現される局所拡大(縮小)光学系に対して,一定の屈折率をもつ光学材料による同等の光学性能をもつ1枚2面の非球面からなる仮想的なレンズを物理形状モデルとして考案・定義し,これに基づいて前年度の課題であった視野の一部分で結像状態が劣化する現象を解決した.また,考案した物理形状モデルの屈折率をパラメータとすることで,目標とする拡大(縮小)率を実現するためにどれだけの物理形状変化(すなわちレンズパワーの幅)が必要であるかを示せることに着目し,試作する局所ズームユニットに使用する液晶レンズセルの液晶材料と電極サイズ及び液晶層厚さを評価した.物理形状モデルの数学的モデル化は研究代表者である清水が,液晶レンズセルの材料及びサイズの評価は研究分担者である佐藤が,それぞれ中心となって実施した.なお,設計した局所ズームユニットはテレセントリック光学系の構造を採用し,注目点移動とともにバックフォーカスの調整も可能である.試作フェーズにおいては,研究協力者である秋田大学河村希典講師の協力の下,研究協力者の研究室の設備を使用し,上記の設計・評価フェーズの結果に基づいて清水が試作を実施した.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 5件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
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