クランク機構を有しないリニア発電エンジンのメカニズムを提言するとともに,高効率運転が可能な運動サイクルが実現できることを,主として,コンピュータシミュレーションによって確認した.すなわち,燃焼行程では,発電損失を最小とする速度で,かつ,内部エネルギーを使い切るまでストロークを延長する.圧縮行程では,ピストンが上死点で停止す位置でモータを止め,その後は慣性力のみで圧縮を行う.また,吸・排気工程では,背圧を充分さげるようにゆっくり運転を行うことで,高効率化が実現できる見通しを得た.なお,燃焼・排気工程と圧縮・吸気行程のストロークは同じにする必要がないため,制御則の制限が少ないのも特徴である.
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