フェライトの鉄損に関し,ヒステリシス損失と動的磁気損失のそれぞれの温度依存性について実験的に検証し,温度依存性があるのは前者のみであることが明らかとなった。今後は,より広い範囲の温度変化に対して同様の検証を試みる必要がある。また,LLG方程式に立ち返った考察が必要である。 動的磁気損失パラメータを磁束密度とその時間微分の関数として実験的に求めた。このデータは,スイッチング電源に適用される磁気デバイスの損失評価に利用できる。 LLCコンバータの磁気デバイスの損失を考慮したシミュレーションに成功した。今までコンバータ各部の損失を厳密に捉えたシミュレーションは困難であったが,磁気デバイスの鉄損およびその等価回路を低損失コンデンサを用いた単体試験で求め,それらの値がコンバータ動作においても有効であることを実験とシミュレーションとの比較から明らかにした。また,同様の検証を非接触電力伝送(ワイヤレス給電)用コンバータでも行い,本手法の妥当性が明らかとなった。 以上の内容を含む学会発表を4件行った。
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