我々は,バルク超伝導応用回転機の実用化における技術的課題として指摘されている回転変動磁界によるバルク超伝導回転子への影響について研究を行っており,本研究はその変動磁界の影響を低減するべく最適な設計法を明らかにすることを目的としている.平成26年度は以下の2項目について実施し,それぞれの実績について報告を行う. (1)「試験用バルク回転機の運転評価」については,これまで行ってきた研究成果を実際に評価するために,前年度までに製作された回転試験装置を使用してバルク回転子の回転試験を行った.この回転試験は,回転時のバルク回転子の捕捉磁束や温度の状態を連続的に計測し,回転時の運転評価を行うものである.評価結果については,回転速度の変化による微少な温度変化と同時にバルクの捕捉磁束変化を確認することができ,回転時のバルク損失評価を行うことが可能であることが実証された.また,シールドコイルの有効性についても,実際の回転機を模擬した試験装置によってその効果について十分確認を行うことができた. (2)「研究成果のまとめ」については,本研究によって得られた多くの測定および評価結果を成果としてまとめ,最適な設計法を明らかにすることができた.しかし,目標の一つとしていたステータコイルの構成法については,予想した最適性能に達することができず,今後の検討課題として残すこととなった.H25後半~26年前半までの研究成果について,国内および国外の学会において成果を発表し,他の研究者との意見交換を行った.
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