研究課題/領域番号 |
24560329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河瀬 順洋 岐阜大学, 工学部, 教授 (20144735)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 電動機 / 並列計算機システム / 有限要素法 / 磁界解析 |
研究概要 |
高効率かつ堅牢な電動機を開発するために,電動機の磁界解析に対して分散メモリ型並列計算機システムを用いて計算時間の短縮と使用メモリによる解析モデルのサイズの制限をなくすとともに,磁界解析と応力解析を総括的に扱うことのできる連成解析システムをの構築を目的としている。 本研究において,1年目に相当する本年は,周辺部材を含む電動機の磁界解析を実現するために,従来シングルCPUを搭載したPC上に構築してきた電動機の磁界解析システムで実現してきた回転子の回転処理を並列計算機システム上に移植することを計画し研究を進めてきた。 まずは,これまで構築してきた,四面体辺要素を用いた三次元有限要素法よる磁界解析をベースとした並列計算機システムを用いて周辺部材が電動機本体に及ぼす影響を回転処理を施さない状態で解析した。すると,要素分割を細かくしたにもかかわらず,解析精度が十分に確保できない事例が見受けられた。一方,三角柱辺要素を用いた三次元有限要素で同モデルを計算すると,要素数が少なくても精度の高いが解析結果が得られることがわかった。また,三角柱辺要素を用いた回転機の磁界解析におけるメッシュの再構築処理は四面体のそれより容易に行うことができる。そのため,現在は,三角柱辺要素を用いた三次元有限要素法による磁界解析システムを並列化し,その後,周辺部材を含む電動機の磁界解析の並列解析システムを構築するように進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに構築してきた四面体辺要素を用いた有限要素法による電動機の磁界解析のための並列計算機システムによって周辺部材を含む電動機の磁界解析をしたところ,要素分割を細かくしても十分な精度を得ることができなかった。このままでは,たとえ,これまで開発してきた電動機の磁界解析のための並列計算機システムに周辺部材のための処理を追加しても十分な精度で解析結果を得ることができない場合があると判断した。 ただし,三角柱辺要素を用いた有限要素法による電動機の磁界解析では,要素数が少なくても十分な精度で計算することができることも見出している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究結果から,従来開発を進めてきた四面体有限要素法による電動機の磁界解析のための並列計算機システムよりも,三角柱有限要素法による,より高速・高精度な並列計算機システムの開発の構想が浮かび上がってきた。そこで,まず,この新しいシステムの開発を進めていく予定である。 このシステムを構築する際に基礎となるアイデア,計算処理ならびにデータ構造等は,従来開発を進めてきた並列計算機システムの開発と同様に行うことができるため,開発に要する時間も多くはかからないものと考える。 その後,本研究の目的である周辺部材を含む電動機の磁界解析ならびに応力解析との連成を実現していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究データを保存するためのDVD-Rやブルーレイディスクの購入と,調査ならびに研究成果の発表のための旅費に使用する。
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