高効率かつ堅牢な電動機を開発するために電動機の磁界と応力解析を総括的に扱うことができる分散メモリ型並列計算機システムの構築を目的として,本研究を進めていくうちに,四面体辺要素を用いた三次元並列有限要素法による磁界解析では,要素分割を十分細かくしたにもかかわらず,解析精度が十分に確保できない事例があることがわかった。 そのため,より高精度な解析が可能と思われる三角柱辺要素を用いた三次元有限要素法による並列計算機システムの構築の研究を追加し,四面体に比べて解析精度を損なうことなく,計算時間を大幅に短縮することができることを明らかにしている。 本年度は,より実質的な計算モデルを解析対象に対して解析を行い,本研究を通して開発した並列解析システムの有用性を明らかにした。すなわち,誘導電動機のトルク解析や横流解析等を通して,四面体辺要素を用いた三次元並列有限要素法による電磁界解析の有用性を明らかにするとともに,ワイヤレス給電コイルの損失解析等を通して三角柱辺要素を用いた三次元並列有限要素法による電磁界解析の妥当性を実験値と比較して明らかにした。
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