研究課題
近年の電力自由化の流れや分散型電源の普及、またそれに伴うパワエレ機器の導入などにより、配電系統に動的な特性を持つ機器が増加しており、負荷の動的な特性まで評価可能な手法について研究を行った。本研究では、実際の系統に微小な電力擾乱を注入し、その応答から配電系統の動特性を把握する手法(微小擾乱注入手法)の開発、提案を行った。本手法は、配電系統の特性をオンラインから測定可能であるため、任意の時間帯の実際の負荷の特性を得ることができる。微小擾乱注入手法を用いた動的負荷モデリング手法の提案及び、シミュレーションによるモデル評価を行った。シミュレーションにはPSCAD/EMTDC(Manitoba HVDC Research Centre, Inc.)を用いた。同期発電機と無限大母線間に電力注入装置及び配電系統が配置され、配電系統は動特性を持つ代表的な機器である誘導電動機を含んでいる系統を想定した。また不安定な系統状態を模擬するため、配電系統と無限大母線間の距離は長めに設定した。同期機の母線に設置した電力注入装置は、理想的に有効電力、無効電力を同時に高速で出し入れ可能な機器を模擬しており、SMES(Superconducting Magnetic Energy Storage)等が該当する。の装置から、微小な電力擾乱を系統に与え、この応答からシステム同定の手法を用いて、配電系統以下の動特性を伝達関数の形で求めた。配電系統部分を伝達関数の形のモデルとして導入して、系統安定度解析を行い、詳細モデルを用いた解析結果と比較し、モデルの妥当性を検証した。シミュレーション試験により提案動的負荷モデルが、安定な系統の事故波形を正確に再現可能であることが示され、また一線地絡事故により最終的に崩壊してしまうような系統条件に関してもその傾向をある程度見て取れることが確認された。
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Proceedings of International Conference on Electrical Engineering 2013, PS5-21,2013、to be appeared in Journal of International Council on Electrical Engineering
巻: 4 ページ: 254-268
10.5370/JICEE.2014.4.3.258