研究課題/領域番号 |
24560332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三浦 友史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90354646)
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研究分担者 |
伊瀬 敏史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00184581)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モジュラーマトリックスコンバータ / モジュラーマルチレベル変換器 / マルチレベル変換器 / 低周波送電 / 周波数変換器 / マトリックスコンバータ / 系統連系 / 風力発電 |
研究概要 |
モジュラー化されたH-ブリッジセルを直列接続することによって大容量化が容易な交流/交流直接変換形変換器であるモジュラーマトリックスコンバータの低周波送電への適用を検討している. 平成24年度は,H-ブリッジセルを3段以上にカスケード接続した場合にも適用可能なキャパシタ電圧平衡制御を提案し,1コンバータアームがセル4段で構成されたモジュラーマトリックスコンバータの系統連系運転について回路シミュレーションを行い,その妥当性を確認した.またH-ブリッジセルのデッドタイム時の電流転流について検討し,電圧スパイクの発生を抑制する手法を提案した.さらに,このモジュラーマトリックスコンバータの低周波送電への適用について検討し,60Hz/1Hz周波数変換時であっても一部のコンバータアームに電流集中が起らず,入出力の電流電圧ともに総合ひずみ率が5%以下で運転が可能であることを回路シミュレーションによって示した.回路の入出力電圧の昇降圧動作についても検討を行い,その動作範囲について考察した. 1kWのモジュラーマトリックスコンバータの試験装置においても,60Hz/5Hzおよび60Hz/20Hzの系統連系周波数変換動作を実証し,低周波送電への適用が可能であることを示した. これらの成果については,電気学会半導体電力研究会,平成25年電気学会全国大会,パワーエレクトロニクス学会第196回研究会において,それぞれ発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モジュラーマトリックスコンバータの制御方法および低周波送電への適用の基礎検討は当初の計画以上に進んで実行され,期待された以上の成果が得られた.一方,実験装置については,動作安定のため主回路にPCB基板などを用いる改良を行ったため,セル2段化改造については計画より少し遅れた.しかし,この改造のおかげでセル1段構成回路の安定動作を実現できたうえに,セル2段化改造用の主回路および計測制御回路の基板を設計・製作を完了することができた.平成25年度にはセル2段化改造を進め,当初の計画していた項目について実行可能であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,モジュラーマトリックスコンバータの制御法として,(1)系統連系用の零相電圧制御,(2)同一周波数の非同期系統連系用の制御,(3)瞬低・系統不平衡運転時の制御,等を検討する.またモジュラーマトリックスコンバータの応用として,(a)低周波送電への適用,(b)可変周波数・可変電圧発電機を用いた風力発電への適用,等について検討を進める. 実験回路については,セル2段化改造を進めたのち,上記で検討した制御法を適用してその効果を,可変周波数・可変電圧電源と系統との連系試験によって実証する. シミュレーションおよび実験を通じて,低周波送電への適用に関する課題を抽出しその解決策について検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
4月に開催される国際学会の参加費と旅費に使用する.また,主回路改造のための回路部品の購入に充当する.
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