研究課題
初年度;(1)エレベータ非常止め装置の具備すべき安全仕様を決定した。(2)エレベータ小型実験装置を製作し,ACサーボを用いて従来の非常止め装置の動きを模擬するシミュレータを製作した。(3)Eダンパの本体となるシリンダ・ピストンの設計を行った。以上3項目は研究計画に記された事項であり,全てクリアできた。平成25年度;(1)製作したシリンダに磁性流体を封入し,その外周にコイルを巻いて Eダンパを製作した。前年度製作した装置とこのEダンパによりエレベータの非常停止動作模擬実験装置が完成した。(2)シリンダに巻いたコイルの電流制御により,Eダンパの減衰比は0.2~0.75まで自在に調整できることを実験で確認した。(3)この減衰比データを用いて設計した非線形制御系を基に,実機仕様でのエレベータ非常停止時の計算機シミュレーションを行い,従来の非常停止装置に比べ大きな衝撃緩和効果が得られることを確認した。以上3項目は研究計画に記された事項であり,全てクリアできた。最終年度;前年度に実機パラメータを用いて有効性が確認された制御法を用い,(1)小型実験装置に対する制御系を設計した。この制御系を小型実験装置に実装した際の衝撃緩和効果について計算機シミュレーションでその効果を確認した。(2)この制御系を基に,非常停止模擬実験を行った。制御信号レベルの制約からパッシブ制御を加えたEダンパの効果を実験により検証した。その結果,従来の衝撃力ピークをから,制御なしのEダンパでは17%,コイル電流5Aでは21%,コイル電流10Aでは24.5%の衝撃緩和効果が確認された。以上2項目は研究計画に記された事項であり,さらに実証された制御法による衝撃緩和効果をシミュレーションし,論文にまとめている。したがって,3年間にわたる本研究計画は,ほぼ順当にクリアできた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
国土交通省公文書
巻: 1月公表分 ページ: 1-38p
巻: 1月公表分 ページ: 1-20p
巻: 3月公表分 ページ: 1-26p
IEEE Trans. on Magnetics ,ISSN 0018-9464,4600404
巻: Vol.50, No.11 ページ: 1-4p
IEEE Trans. on Magnetics ,ISSN 0018-9464,8600304
http://homepage3.nifty.com/nakagawa-toshiko/index.htm