研究課題/領域番号 |
24560354
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
長谷川 勝 中部大学, 工学部, 教授 (70340198)
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キーワード | 埋込磁石同期モータ / 位置センサレス制御 / 電圧形インバータ / 過変調運転 / 磁気飽和 |
研究概要 |
本研究は今年度で2年目を迎え,顕著な磁気非線形性をもつ埋込磁石同期モータの運転領域拡大のための制御法の理論完成度を高めることに注力した。 具体的には,電力変換器(電圧形インバータ)の直流バス電圧が有限である前提のもと,制御対象たる埋込磁石同期モータの磁気飽和特性にロバスト性を維持しつつ,PWM運転から1パルス運転までをシームレスに移行する回転子位置センサレス制御手法を確立した。これまでに,①「d軸を優先した電圧修正法」,②「MTPA磁束軸を優先した電圧修正法」,③「MTPA座標上電流制御+電圧振幅優先法」の3種類を比較し,シミュレーションにより,提案する③「MTPA座標上電流制御+電圧振幅優先法」が磁気飽和特性にロバスト,かつ駆動可能領域の拡大に最も有効であることが分かった。 さらに,③については実験的評価を開始しており,3年目の最終年度に向けた準備が完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に研究目的を実現する制御則は完成の状態にあり,当初の計画通りである。 また,実機実験を開始し,その詳細な性能評価を残すのみの状態である。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究2年目に開始に至った実機実験を継続し,その詳細な性能評価を行う。また,本手法適用に伴うトルク応答性,効率改善効果についても検討する。 2.1パルス運転に伴う6次高調波電流に対する影響を評価する。さらに,これを高速除去する方法として,別研究で成果を上げている「くし形フィルタ」の適用を検討し,その有効性を示す予定である。 3.本研究室で所有する競技用小形電気自動車への適用を検討し,これに適するように制御則の簡単化を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究を遂行するにあたり,実機実験のための装置の購入を計画していたが,該製品の開発が遅れたために今年度での購入を見送った。ゆえに,次年度使用額が生じた。 今年度に購入を予定した製品がごく最近になって販売開始となった。至急購入の手続きを取り,セットアップして研究成果を得る予定である。
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