研究課題/領域番号 |
24560356
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研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高 義礼 釧路工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (80335091)
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キーワード | 帯電体 / 移動 / 気中放電 / 放電ギャップ長 / 速度依存性 |
研究概要 |
平成24年度の計画では高電圧側の電極を移動させ放電をおこなう予定であったが、諸事情から平成25年度においてはグラウンド板を移動させるように設計変更した。完成した実験システムを用い、電極移動速度と放電ギャップ長の関係について測定をおこなった。その結果、高い帯電電圧(3kV以上)では速度依存性がみられず、かつ低い帯電電圧(2kV以下)では高速接近に比べて低速接近の方が放電ギャップ長が短くなるという結果を得た。この結果は研究代表者らがこれまで示してきた“高速接近の方が低速接近に比べて放電ギャップ長が短くなり、かつ高電圧の方がその傾向が顕著になる”という結果と異なるものである。ここまでの結果については2013年10月4日におこなわれた電気学会の”放電に伴う電磁ノイズ特性調査専門委員会”で報告した。また同様の内容を2014年5月12日~16日に開催される国際会議”2014 International Symposium on Electromagnetic Compatibility”で発表予定(決定済み)である。現在は、火花ギャップ長の速度依存性がこれまでの報告と異なる理由について調べている。予想される原因としては、システムの測定精度の問題や放電メカニズムが異なることなどが考えられるが、まずは測定精度について検証している。例えば、移動速度はレーザドップラ速度計で計測しているが、速度計内部での処理時間の影響が懸念される。一方、本研究の一部分として帯電体の移動速度と充電電圧および絶縁破壊電界の関係についても調べているが、その研究成果は論文“電気学会論文誌C, Vol.133, No.12, pp.2149-2154”として掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験システムに再度変更を加えたが、実験をおこなえるように調整が完了し、データ採取がおこなえるようになった。実験データをまとめて国際会議”2014 International Symposium on Electromagnetic Compatibility”に投稿し、口頭発表(2014年5月16日)として受理された。今後は実験システム等の精度検証をさらに進め、論文として投稿する予定である。したがって、当初の予定通り研究最終年度において研究発表、論文投稿がおこなえる見込みであり、概ね研究計画は達成されていると判断できる。また、本研究の一部分として帯電体の移動速度と充電電圧および絶縁破壊電界の関係について調べた成果が論文“電気学会論文誌C, Vol.133, No.12, pp.2149-2154”として掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
【平成26年4月から9月までの計画】実験システムの精度検証をおこなう。現在、速度計の内部処理時間の影響が指摘されており、このことについて検証中である。これまでの取得データと測定精度検証の結果をまとめて論文投稿の予定である。さらに帯電体を移動させた場合などの実験をおこない、結果の学会発表に向けた準備をおこなう。 【平成26年10月から平成27年3月までの計画】 投稿した論文の修正などをおこない、最終的な掲載に向けて作業を続ける。12月以降は最終的な報告書作成にとりかかる予定である。また、最終的な成果をまとめて平成27年度における学会発表および論文投稿の準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画通り研究を進めたが、出張旅費で見込みより少なく済んだ等の理由のため。 成果発表の旅費や論文掲載代などに充てる予定である。
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