本研究では静電気放電試験器(ESDガン)に対する気中放電の特性を把握し,それをもとに新たな試験法の提案をおこなうことを目的にしている.研究では,まずはじめに火花ギャップ長の電極速度依存性に対する実験的な解明を目指して開発した火花ギャップ長測定装置の精度検証をおこなった.その結果,距離測定の誤差はおよそ4%以下であること,衝突時刻の誤差は,おおよそ+1.2 msであることがわかった.また,測定された火花ギャップ長は,パッシェン則に基づく実験式によく当てはまり,他の文献値や筆者らの以前の推定結果と傾向も概ね一致することがわかった.したがって火花長測定システムの構築という当初の目的は達成できた.
|