研究課題/領域番号 |
24560357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安東 至 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20212665)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | AC/DCコンバータ / ロスレススナバ / インターリーブ / ソフトスイッチング / 高効率 |
研究概要 |
本研究は,高効率で力率改善機能を有する昇圧型AC/DCコンバータにおいて,インターリーブ方式にロスレススナバを組み入れた新しい回路構成の高効率AC/DCコンバータを提案,開発するものである。開発する昇圧型AC/ DCコンバータは容量増加と入力電流高調波低減に効果を発揮するインターリーブ方式を採用しつつ,その動作を積極的に活用し,一つのスナバコンデンサと臨界モード電流制御により用いるすべてのスイッチング素子のソフトスイッチングを実現することができる。したがって,インターリーブ方式による容量増加のための大型化をソフトスイッチングによる効率の向上と電流歪低減による入力フィルタの小型化で抑制することが期待できる。 平成24年度は提案する高効率AC/DCコンバータにおいて,(1)使用するすべてのスイッチング素子でのソフトスイッチングの達成,(2)1kW負荷時において従来より3%程度の効率向上,(3)入力力率98%以上,(4)出力電圧変動率1%以下,(5)正弦波入力電流,(6)入力電流総合歪率5%以下,(7)電源電圧80V~220Vへの適用可能 を試作回路において達成するための電子回路による基本制御回路設計を行った。これより,試作機による実験での確認となる(2)の効率特性を除き,シミュレーションによりこれら目標の性能を達成できることを確認した。また,試作機の製作にも取りかかり,入力電圧100Vrms,出力電圧指令値200Vの実験により,600W以上1.5kW以下の負荷において,入力力率99.1%以上の正弦波入力電流,出力電圧変動率1%以下の良好な特性を達成することができた。また,使用しているすべてのスイッチング素子でソフトスイッチングを達成していることも確認することができた。 以上のことから,本年度の研究実施計画は十分達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画では,提案する「ロスレススナバを組み入れたインターリーブ式完全ソフトスイッチング高効率AC/DCコンバータ」において,(1)使用するすべてのスイッチング素子でのソフトスイッチングの達成,(2)1kW負荷時において従来より3%程度の効率向上,(3)入力力率98%以上,(4)出力電圧変動率1%以下,(5)正弦波入力電流,(6)入力電流総合歪率5%以下,(7)電源電圧80V~220Vへの適用可能 を試作回路において達成するための電子回路による基本制御回路設計行うとともにシミュレーションによりその動作を確認する予定であった。それに対し,平成25年3月時点でシミュレーションにより動作確認された基本制御回路設計は終了し,平成25年6月に完成予定としていた試作機の製作および動作確認もほぼ終わり,基本的な電気特性を実験により取得中であり,計画より3ヶ月ほど進展しているといってよい。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は引き続き試作機の各制御補償器のゲイン調整を行うとともに,まだ,目標の達成が確認できていない項目「1kW負荷時において従来より3%程度の効率向上」を達成するため,素子にかかる電圧と電流波形を精査し,損失分離を行い損失の原因を確認し,改善対策を施す。 また,本コンバータ回路はできるだけ追加補助回路を設けること無く高効率を達成するために,一つのスナバコンデンサに蓄えられたエネルギーを回収,活用してソフトスイッチングを達成している。そのため,入力電流の小さい範囲でスイッチング時に電流の上昇率が高く,電流指令値を超える電流が流れることにより入力電流に歪が生じる。そこで,ソフトスイッチングが達成可能な条件内で 一時的にスイッチングを停止し,臨界モードの電流パルス密度を制御する入力電流波形改善制御回路を開発する。開発設計を終え次第製作し,試作機に組み入れ,効果を実験により確認し,正弦波入力電流と入力電流総合歪率5%以下を達成する。提案したAC/DCコンバータの試作機による実験が終わり次第,従来型AC/DCコンバータと電気特性の比較検討を行う。 その後,入力電流波形や損失について理論的見地から解析を行い,一層の高調波電流と損失の低減を探る。さらに,提案したインターリーブ方式の回路にロスレススナバを組入れ高効率化と波形改善を可能にする手法は,AC/DCコンバータのみならず昇降圧型AC/DCコンバータや降圧型DC/DCコンバータに対しても有効であると考えられることから,シミュレーションと実験を通じて有効なコンバータとして活用可能か可能性を探る予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は,試作機製作のためのICや電力用半導体スイッチング素子,基板の購入を行う。また,平成25年度に新たに交付された研究費については,試作機のデータ取得用として効率(損失)をより詳細に分析する損失分離のための電流測定に活用するロゴスキーコイル電流プローブの購入を計画している。また,試作機の実験結果が取得できることから積極的に学会発表を行う予定である。
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