研究課題/領域番号 |
24560363
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
石井 清 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30134258)
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研究分担者 |
佐久間 洋志 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40375522)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 磁性微粒子 / 鉄微粒子 / 微粒子成長 / ガスフロースパッタリング / スパッタリング |
研究実績の概要 |
本研究では、1000Pa以上の高い圧力雰囲気でスパッタを行うことが可能なガスフロースパッタ法を用いて、従来の技術では作製できなかった様々な形状の磁性微粒子を作製するプロセスを確立することを目指した。特に、ドラックデリバリーや新しいがん細胞の破壊法に利用できる純鉄(Fe)の粒子について、粒径が100nmレンジの角ばった粒子の作製条件の構築を目指した。 今までの研究において、円筒ターゲットの大きさを内径5mm、長さ350mmとし、スパッタガスとして高純度Arガスを500sccm、粒子成長チャンバー内圧力を1000Paに設定して粒子成長を行うと、いがぐり状、さいころ(立方体)状、球形のFe粒子が得られることが明らかになっており、その作り分けはArガスの温度によって行うことができることを見出した。しかしながら、ひとつの欠点として粒子成長が完了しないこと、すなわち、非常に小さな粒子や原子・分子状のFe蒸気が大きな粒子に混在しており、粒子の捕集時にそれらを分離できないことであった。その対策として、捕集後に分留することが考えられるが、むしろ捕集器の上で大きな粒子と凝集するために良好な分離は難しいことが推察されている。 粒子の凝縮・成長はArガスにスパッタ蒸気が移送される時に生じるため、Arガスの流れが重要であることが分かっていた。そこで、ガス流シミュレーション(ペガサスソフトを利用)とさまざまなガスの流路に対する実験を行った結果、スパッタ蒸気を移送するArガス流に対して、逆行するArガス流を内径1mmのパイプを通して流すことにより、スパッタ蒸気を移送するAr流が円周上に散乱できること見出した。残念ながら現時点では、それらの条件においてどのような粒子成長が起きるか十分には明らかになっていないが、粒子成長が促進されているものと推察している。
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